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2019年3月25日月曜日

初めてのZine Fair

先々週の日曜にDIY Space for Londonで開催されたZine fairに初出店。大盛況で、とっても楽しかった!

このZine fairは、Peckhamにあるちいさな古本とzineのお店「BOOKS」と、Tome Recordsの後にDSFLに入店したカスタマイズ・デジタル刺繍のお店「1831 shop」が共催していて、今回で確か3回目になるかと思います。これまでも客として行ったことはあったのですが、出店するのは今回が初めて。

「BOOKS」はうちからバスで10〜15分のPeckham Rye駅のすぐ近くに1年ちょい前ぐらいにできたちいさな古本屋さんで、周りの友達からも何度か話を聞いたことがあったのですが、これまで一度も足を運んだことがありませんでした。そこで週末に、BOOKSが扱っているような安いペーパーバッグの古本に目がないベンと一緒に行ってみたところ、うわーなんで今まで来なかったんだろう、と思うような、すごく好きなタイプのお店で、ベンも私もすぐファンになりました。店主のピーターは他に本業の仕事をしながらこの本屋さんをやっているんだそうで、いやー情熱がないとできないですよねほんと。

看板からすべて手作り。古本とZineが所狭しと積まれています。
コンドームとタンポンを無料配布しているあたりもナイス。
ところで実はBOOKSのインスタの写真にときどき登場していた猫が、ビジュアル系? KISS? パンダ? とでもいうような、ものすごくユニークな顔つきをしていて一目で魅せられてしまいまして、ちょうど新作の小さなねこブローチを作っていたところだったので、この猫をモデルにしたブローチも作ってみました。ピーターにあげたところとても気に入ってくれて、Zine Fairでも販売することに。しかしこの猫(ルーシーという名前だそうです)、てっきりBOOKSの猫だと思っていたのですが、実は裏にあるレストランの猫とのことで、姿を見せる時はいつも夕方にひょっこり現れて、積まれた本の上をよじ登ったり、歩いたりしてるんだとか。私がお店を訪れたのもちょうど夕方ごろだったので、会えないかな〜❤︎と思っていたのですが、残念ながらこの日は姿を見せませんでした。

右上のパンダみたいな顔しているのがルーシー。本当にこんな顔してるんですよ!
ピーターがSNSでもシェアしてくれてかなり好評だったので、
たくさん作るぞー!と思っていたのですが、あれもこれもで
アップアップになってしまい、結局この写真の猫たち+3、4個ぐらいしか
作れませんでした。ハンドメイドは時間がかかるので仕方ないですね。
肝心のZineについては、1ヶ月前の出店申し込みの時点では前回のブログでも触れた「ねこのいる風景 Cats I Have Known」しかZineとして販売できるものがなかったのですが、ギリギリ開催日の2日前にどうにかもう一作、仕上げました。この新しいZine「NEKORAMA(vol.1)」では、ねこ関連の小説やマンガの簡単なレビュー、ねこポエム、ねこコミックなどもフィーチャーしているほか、おなじみの「Cats I Have Known」のページもあります。日英バイリンガル版だと時間も紙面スペースも食うので、このZineは英語オンリーです。といってもやっぱりテキスト作成には時間がかかりましたが、ベンにいちおう、ざっと文法の間違いなどもチェックしてもらったので、まあだいたいは大丈夫かと。。。こちらシリーズ化を目論んでまして、また次の機会を目指してvol.2を作成する予定でおります。

さて、待ちに待ったフェア当日。オープンの12時少し前に現地に着くと、出店者たちの3分の2ぐらいがすでに準備に取り掛かっていました。あいているテーブルどこでもOKというので、今回のイベントで唯一、ピーターの他に顔見知っていたホリーの横があいていたので、そこに座らせてもらいました。ホリーは以前、PAMsで一緒にライブをしたことがあるThe Potentialsというバンドをかつてやっていたのですが、Zinesterとしての経歴が長く、英国各地のZine fairに出店しているうえ、 Tate Modernで行われたZineの企画展示などに関わったり、ワークショップで教えたりなど幅広く活躍していて、Zineの世界では有名人です。しかも近々、アジアのZineアーカイブのイベントか何かで香港に出張するんだとか。すごい!

ともあれ、久々に会えてうれしかったし、Zine fairデビューの私としては、お隣が友達というのはとても心強いのでした。ちなみに反対側のお隣に座った初対面のコートニーもものすごく面白い人で、とても楽しかったです。Bムービー、サメ映画、世界のモンスターなど、いろんなカテゴリーのZineをたくさん作っていて、しかも基本的に無料配布(できる人は寄付してね❤︎というスタンス)という太っ腹さ。今回自分でZineを作って、時間や費用がどれだけかかるかというのを身をもって知ったこともあり、感心すると同時に応援したくなりました。

そうこうしているうちにあっという間にオープン時間となり、すでにお客さんが少なからず入ってきたと思ったら、その後も客足は途切れることなく、一日中とても賑わっていました。写真を撮るのをすっかり忘れてしまったのですが、オープン直後にインスタでのプロモーション用に数秒間の動画を撮ったので、とりあえず雰囲気だけ。



正直な話、私は基本的にこういうFairでコミュニケーションを取るのが下手で、客として行っても気になるお店以外はじっくり見ないことが多いのですが、今回、売り手として参加してみて、買う買わないはさておき、足を止めてくれた人たちが気軽に話しかけてきてくれたり、Zineを手に取って見てくれたりするのがうれしかったし楽しかったので、私も次回、客として訪れる時はもっと積極的にいろいろ見て回ろうと思いました。特に「Cats I Have Known」をパラパラと見て「あ! 私この猫知ってる!」という人が何人かいて、話が広がったのも面白かったです。

夕方からはベンも応援に(というかおやつを持って)来てくれたので、しばしお店をお願いしてぐるっとひと回りしてみたわけですが、みんなそれぞれに自分の追求するテーマをZineにしていて興味津々でした。また、DIY Spaceの当日のボランティアの人たちがヴィーガンの料理とケーキ、ビスケットなどを作ってきてくれていて(ヴィーガンオレオのビスケットすごく美味しかった)これも基本、寄付ベースで提供してくれていたのも非常にありがたかったです。

そんなこんなで、クローズ時間の18時まで本当にあっという間でした。私の拙いZineも売れるかなあと正直心配でしたが、ありがたいことに買ってくださる方々がいて、mix tapeもボチボチ売れ、おかげさまで今回の売上とEtsy shopでの売上を足してCelia Hammond Animal Trustに50ポンド寄付することができました〜。




また今回Zine Fairに参加したことで、他のZinesterの方々とコミュニケーションできたのも本当に楽しかったし、新しい世界に足を踏み入れた感が大きかった経験でした。Zine世界ならではのZine交換も初体験できてワクワクしたし、次の機会が今から楽しみです。ブローチや缶バッジが好評だったのもうれしかった。マイペースではありますが、これからまたボチボチ作って、マーケットに出店したりする機会を見つけていけたらいいなあと思っています。とりあえずZine2種はEtsyショップ、TubbingRummyでも販売していますが、先述のBOOKSにも置いてもらっていますので、お近くにお住まいの方はぜひ足を運んでみてください。
この日の収穫:購入したり交換したりしたZineの数々

●BOOKS:http://books-peckham.com/  ※不定期営業のため、オープン時間についてはインスタをチェックしてください。http://books-peckham.com/
●TubbingRummy:https://www.etsy.com/uk/shop/TubbingRummy

2015年1月19日月曜日

ウェールズのクリスマスの想い出(その7)

長々と書き綴ってきたこのパーソナルなクリスマスの想い出話も、今日でついに最後です。気づけばもう1月も後半だしね……いやはや。

というわけで遡りまして、年の瀬も押し詰まった29日。朝起きて窓の外を見ると、あたり一面、霜と霧で真っ白。庭の向こうに見える湾もすっぽりと霧に覆われて、湾そのものが消えてしまったかのよう。

これが通常の眺め

こちらはこの日の朝の様子。真っ白で何も見えず
気温を見るとマイナス0.8℃。Pembrokeshireは通常、ロンドンより少し暖かいらしいので、ロンドンは今頃もっと寒いのかも。そう思いながら朝ご飯を食べていると、次第に日が射してきた。でも霧はそのままで水面は全く見えず、なんだかマジカル。すごくきれい。

ところでクリスマスの時のターキーですが、もちろん全部は食べきれず、残りはどうするのかと思っていたら、スープにするんだそうです。ベンもかつて肉を食べていた頃はこれが大好きだったというんだけど、話を聞いただけだとあまり美味しそうな感じがしなかったし、実際スープを作っている時の匂いもとても肉肉しくて、ちょっと苦手かもという気さえしていた。でも、せっかくなのでちょっと味見させてもらうと……あらっほんと、けっこう美味しい!
何で味付けているのか聞くのを忘れたけど、ウースターシャーソースとか
お醤油とかを使っているような味。胡椒がぴりっときいててウマい

さて最終日はかねてから行きたかった、ラーンにあるディラン・トマスのボートハウス・ミュージアムへ。ディラン・トマス(1914-1953年)はウェールズ出身の早世の詩人・作家で、以前一度ラーンに来た時に、タフ川を見下ろすように突き出した彼の仕事部屋だったという小屋は外から覗いたんだけど(この小屋は彼の死後からほぼそのままの状態で保存されているらしい)、ミュージアムに足を運ぶのは今回初めて。
左上に見えますのが、仕事部屋だったという、その小屋です
こちらが正面から見たその小屋です
表の小窓から中を覗くとこんな感じ。床に投げ捨てられた原稿や机の上のマグカップもそのまま残されている
実のところ少し前までこの人のことは全然知らなかったんだけど、この小屋と簡単なプロフィールを見たら何かビビビときてしまって、その後とりあえず何冊か翻訳本を購入したものの、やっぱり翻訳だとニュアンスがアレでして。詩だと尚更ダメですね。代表作の一つである「子犬時代の芸術家の肖像」は未読なので、読んだらまた報告します。

ともあれ、この小屋から数百メートル離れたところにある、かつて彼とその家族の自宅であったボートハウスがミュージアムになっています。

いまだに詩人の息づかいが聞こえてきそうな雰囲気(実際、彼の有名なラジオ劇「Under Milk Wood」の自身による朗読が延々と流れていて、その独特な発声が呪文のように耳に入ってくる)で、窓から射し込む日差しとか、言葉を失うほどきれいなタフ川の眺めとか、もう、彼がここに居を構えようと思った理由が言わずもがな理解できてしまうようなピースフルな空間。本人によるラーンに住み着いてしまった理由というか経緯を綴った一文も飾ってあった。それによれば、彼はある日この村に日帰りの予定でやって来たが、帰りのバスに乗るのを忘れてしまいそのまま居着いてしまった、とのこと。

何枚か写真を撮った後に「館内撮影禁止」の表示に気づいたので、律儀に写真は控えますが、一枚ぐらいならいいだろうってことで、デスク周りの写真を。

2階には多言語に翻訳された作品の数々(日本語版も数冊ありました)や、著名人をはじめとするさまざまな人との書簡(彼は生涯、本当に数多くの手紙を書いたらしい)、当時ウェールズのローカル新聞に掲載された死亡記事(アメリカ朗読ツアーで訪れたニューヨークにて39歳の若さで急逝)などが展示されている。彼の生涯を伝える約20分の古いドキュメンタリー映像も興味深く見ました。

正直、言葉の壁もあり、今のところまだ作品自体に何か強く心を動かされたり(朗読にはやはり何か感じるものがありましたが)その重要性を認識したりとかは全然していないんだけど、ジョン(ベン父)も「昔は全然ピンとこなかったんだけど、ある時から突然ググッときたんだ」と言っていたので、私もそんな日が来るのかも(または来ないのかも)などと思いつつ、今後もぼちぼち彼の作品を読み進めていこうと思っています。

そういえば入口に続く庭先に、オヤジの洗濯物のようなものが干してあって、個人のものなのか展示なのかイマイチわからなかったんだけど、ま、おそらく展示よね。なんにせよいい感じだったので激写。
ももひきは万国共通の防寒対策ですね
それにしても、前回ラーンを訪れた時もそうだったんだけど、今回もものすごく気持ちのいい天気で、なんだか非現実感が漂うほどでした。今回掲載した写真、もちろんすべて無修正ですが、ほんとにこんな色だったんです、空も緑も。

この町のランドマークでもあるラーン城
散歩中の犬も光をいっぱい浴びて幸せそうでした
ボートハウスを出るともう夕暮れが間近に迫っていました
最終日の夜は、ベンとポールとともに再びジョンの家を訪れ、モーリーンが用意してくれたディナーをご馳走になり、夜11時すぎまで飲んだり食べたりしました。そして翌日の昼すぎにPembrokeshireを発ち、夜7時頃、やっとロンドンの自宅に戻ってきました。

というわけで、長々と続いたクリスマスの想い出話もこれにて終了でございます。いやはやいやはや。

today's book:A Child's Christmas in Wales/Dylan Thomas
ウェールズに住むある少年のクリスマスの想い出を綴ったディラン・トマスによる児童小説。日本語版のタイトルは「ウェールズのクリスマスの想い出」です。あえて言えば(本当になんとなく、ですが)宮沢賢治と谷川俊太郎に町田康っぽさを加えたような感じかしら……(それってかなり最強か)。何はともあれ、ウェールズでクリスマスを体験した今これを読むと、やっぱりちょっとしみじみするものがありました。