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2015年5月14日木曜日

またまた最近のライブまとめ

最近といっても前回のライブまとめ以降の話なので、1ヵ月前ぐらいのものもありますが、とりあえずざざっとまとめます。

4月前半、 DalstonのEpic Dalstonというイベントホールで、Hackney Record Fairという新しいレコード市が開催されるってことで、足を運んでみました。プロのレコードショップからインディペンデントレーベル、バンドまで、ブース料金を払えば誰でも参加できるとあって、たくさんの出店があり大盛況でした。



ひととおり見て回った後、結局私はUpset the RhythmとMÏLK recordsのブースで7インチとアルバムを購入。パンク系のブースが少なかったように思いましたが、街のレコード店では見つかりにくそうなDIY系のバンドのレコードを置いている店がけっこうあったりして興味深かったです。聞いたことのないバンドのレコードを買う余裕ってなかなかないとは思うけど、売る方にとっても買う方にとっても意外な発見がありそうなイベントでした(今後も定期開催されるみたいです)。

この日はその足でそのままShoreditchのFlashback Recordsへ、Paul Collinsの無料インストアライブを見に行きました。Flashback Recordsのショーディッチ店は最近できたばかりらしく、塗装の匂いがまだプンプンしてた。ライブの開始時間がよくわからず、早めに到着したら、まだ全然何も始まる気配がなかったので、とりあえずレコード漁り。そうこうしているうちに6時を回り、徐々にバンドがセッティングを始めました。


リラックスしたムードの中、オーディエンスもちらほら集まってきたころ、特徴のある声をした坊主頭のおじさんが「ハロー!久しぶり!」と、近くにいた人に声をかけてるな〜と思ったら、それがPaul Collinsさんご本人でした。ポールさんといえばこういうイメージだったので、最初全然わからなかったけど、よく見ると面影がありました。すごく気さくでアメリカ〜ンなポールさんだったのでした。バンドはみんな若いメンバー(おそらく彼の子どもぐらいの年齢)なんだけど違和感はなく、時代を超えて愛される音楽は世代も超える!みたいな。集まってきた人たちも昔からのファンやお友達っぽい方々が多くて、アットホームな雰囲気の中、ライブが始まりました。


王道パワーポップのライブは久しぶりだったのですが、なんというかストレートで温かくて、すごくよかった。個人的に大好きなWalking Out On Loveをやらなかったのが残念でしたが、それ抜きでもとてもいいライブだった。

4月中旬の土曜日、夕方までスタジオで遊んだ後、Shacklewell Armsでチャリティ・パンク・カバーナイトがあると聞き、面白そうなので行ってきました。SlowcoachesとかSauna Youthとか、いろんなバンドのメンバーがこの日限りのカバーバンドを結成してライブするという企画で、Wipers、Germs、Ramonesという豪華ラインナップ (本当はニール・ヤングのソロアクトもある予定だったんだけど、急遽キャンセルになっちゃったらしい)。しかもどれも即席バンドだとは思えないクオリティ!まずはWipersからスタート、そしてGermsはどんなことになるのか?と思ったけど、ある意味、雰囲気出てて面白かったので、思わずビデオ録っちゃいました(笑)。


そしてラストは待ってましたのRamones。サイコーでした。メンバー全員なり切ってた(笑)。しかも全曲みんなで大合唱。やっぱRamonesは永遠だ。

あとで、自分がカバーバンドやるとしたら何をやりたいかっていう話をみんなでしたんだけど、うーんやっぱRamonesは楽しそうだなー。あとはCrampsとかかなあ。

さて5月アタマのバンクホリデーの週末3日間は毎年恒例、今年で5回目となるOddbox Weekender。今年は27バンドが登場、Shacklewell Armsで開催。我らがFlemmingsとCharla Fantasmaも出演、またベンも1日目の夜にDJすることになり、パーティーパーティーな週末でした。
1日目のオープニングはFlemmings! 
ブライトンから、Slum of Legs 
1人で3時間ぐらい回してたDJベン。朝3時まで踊ったど〜
Charla Fantasma!
いろんな意味ですごいインパクトだったNot Right
みんなたちまちファンになっちゃったThe Fish Police
なかでも今回初めて見てすごくよかったのが、ガールズ3ピースのFeature。イギリス版Vivian Girlsとでもいおうか。ファズの効いたギターにキャッチーなメロディで、後日しばらくアタマの中でヘビロテしてました。


そしてリーズ発City Yelpsも案の定よかった。不思議な魅力のバンドです。ヴォーカルのショーンと後でちょっと話したら、思ってた通りめっちゃオモロイ人だった。

いつもの顔ぶれはもちろん、久しぶりの人たちにも会えたし、楽しい週末でした。Oddbox Recordsは主宰のトレブがほぼ一人でやっている、ジャンルもジェンダーも年代も幅広い、懐の深いロンドンのDIYレーベル。ウィークエンダーの開催はもう今年で最後だ!と言ってたけど、なんだかんだでまた名前とか形態とか替えて同じようなことやりそうな気がします。というか、期待してます。

■today's disc:My Dolphins/Joey Fourr
今回のウィークエンダーでは土曜のオープニングで見逃しちゃったけど、実は結構好きでアルバムも持ってます。なんか80年代を彷彿とさせる雰囲気だったりもして。

2015年5月7日木曜日

ハローアゲイン!トットネス

日本はゴールデンウィークが明けたところですね。こちらも5月3日はバンクホリデーで連休だったので、軽くGWな気分でした。

また少し遡ってしまいますが、4月の4週目は2日ほど休暇を取って、英国南西部へ行ってきました。というのも、なななんと4月23日で早くも結婚1周年。あれからもう1年だなんてビックリですが、思えばいろんなことがありました。そんなわけで記念旅行することにしたのでございます。どこに行こうか迷ったけど、ベンの発案で、私がかつて9ヵ月ほど住んでいたDevon州のTotnesに行くことにしました。これまたひっくり返るぐらい驚きなんだけど、Totnesに住んでたのってもう10年前の話になっちまうんです!! ひー! そりゃーパスポートも切れるよ。さらに、前回Totnesを訪れたのももう4年も前だったことに気づいて、なんか愕然としました。あのとき一緒だったコリアンの友達ユンジュもいまやお母さんだし。いやー。

23日(木)に、パディントン駅から電車で現地へ。ウェールズへの長旅を何度か経験した後では、トットネスも近く感じるってもんです。なんといっても電車で1本で行けるのがいい。なんかすごくロンドンから遠い場所に感じていたけど、思えばあの頃はいつも極貧ゆえに長距離バスを使ってたからなんだな……。

夕方現地に着き、宿にチェックインを済ませてすぐ、The Curatorというイタリアンカフェへ。かつて語学学校でお世話になった先生の一人、ヘザーと2年ぶりの再会。ヘザーはちょうどこの週末にロンドンに行く予定だったらしく、あやうくすれ違うところでしたが、ギリギリ会うことができて本当によかった。短い時間だったけれどいろんな話ができたし、何より元気な姿が見られてうれしい限りでした。

夏時間の今は、夜8時を過ぎてもまだ外が明るい。というわけでヘザーと別れた後、懐かしのダート川の川岸をのんびり散歩。10年前と全く変わらぬ風景を楽しみました。

翌24日(金)はまず、トットネスの街から3マイルほどの森の中にある城跡Berry Pomeroy Castleへ。ここを訪れるのは私も今回が初めて。15分ほどバスに揺られた後、親切な運転手さんが至便な場所で私たちを降ろしてくれて(田舎はこういうとこ融通がきくからいいよね)、そこからさらに徒歩で15分ぐらいだったかな。途中、鮮やかな菜の花畑に目を奪われたりしながら(今がシーズンで、あっちこっちに菜の花畑のイエローパッチが見られます)、人通りのない田舎道をずんずん進みます。


そのまま森の中の歩道を行くと、突如どーんと現れるこの城跡。

この城跡の歴史は、もとをたどれば11世紀のノルマン征服まで遡ります。征服王ウィリアム1世がフランスはカルヴァドス県のLa Pommeraye出身の騎士ラルフ・ドゥ・ポメロイに、ヘイスティングズの戦いの報酬としてこの地を領地として分け与え、以来、このあたりはポメロイ家の所有地に。城が建てられたのは15世紀後半らしい。その後、16世紀半ばに初代サマセット公エドワード・シーモアの手に渡り、以後シーモア家が所有していたものの、17世紀後半以降は無人の城となり、廃墟と化したというわけです。そして実はここ、英国で最もホーンテッドなお城といわれているらしい。つまり幽霊屋敷(跡)でございます。いろんな説があるみたいだけど、どうやら「ブルーレディ」と「ホワイトレディ」という女の幽霊が出るらしい。ブルーレディは、この城にかつて住んでいた主人の娘(おそらくシーモア家の一員)で、父親との間に身ごもった赤ん坊を自らの手で殺め、牢獄の中で気も狂わんばかりにその悲しみに打ちひしがれていたという女性。そしてホワイトレディは、ポメロイ家のマーガレット・ポメロイという女性で、彼女の美貌を妬んだ実の姉(だか妹)のエレノアによって牢獄に閉じ込められ、餓死させられたという人。どちらも、中世のお城にいかにもありそうなエピソードでございます……。




残念ながら(?)幽霊は見なかったし、写真にも写らなかったのですが、城跡自体は雰囲気たっぷりでとてもよかった。当時の再現イラストと今の姿を見比べるのも面白かったです。そうそう、前日にヘザーにここを訪れる予定だと話したら「とてもRomanticよ」と言っていて、またベンも「ほんとRomanticだな」と言うので、何をもってロマンチックって言ってるのかしらと思ったら、いわゆる「ロマンチック♥」じゃなくて、Rが大文字の「ロマン主義」のことでした。だはは。

内部は苔むしていて、これまた風情あり。「天空の城ラピュタ」を思わせる佇まいでした
タテにいくつも並んでいる線がおそらく階層の区切りで、
天井があった位置のようです。かなり低い天井だったのではないかと思われます
不思議なきのこがたくさん生えていました。食べる勇気はなかった


帰路は別ルートをたどり、1時間半ほどのウォーキングを楽しみながら街へ戻りました。途中アップダウンが激しい道もあってちょっとゼーハーしちゃったけど、景色もすごーくよかったし、いい運動になりました。

街へ戻ってすぐ、遅いランチも兼ねて、トットネスに来たら必ず訪れるティールーム「Greys」へ。昔ながらの家族経営(だと思う)の小さな店で、店内にはアンティークのティーカップやら茶器やらがいっぱい飾ってあり、なんというかいろんな意味で古典的な(というか古くさい感じの)店なんだけど、前に来た時にもいた男性のスタッフ(たぶんオーナー夫妻の息子だと思うんだけど)が、前に来た時と全く同じような感じで接客してくれて、なんだか嬉しくなりました。オーダーするメニューはもちろんクリームティー。ここのクリームティーは本当に絶品。ここより美味しいのには出会ったことない!(断言)ほろりとしたスコーン、フレッシュでなめらかなデボンのクローテッドクリーム、自家製のチョー美味しいジャム。何個でも食べられちゃうよほんと。
ほんっと美味しいのよ。そんじょそこらじゃ味わえない美味しさなのよ
他のメニューは試したことないんだけど、ショーケースに入ってたケーキもみんな美味しそうだった。軽食も食べられるし、紅茶をはじめ世界各地のお茶もたくさん揃えています。

クリームティーの後は街をぶらぶら。まあ街といってもストリート1本なんだけど、いくつか新しいお店もできていたので散策がてら。結局、古本屋とチャリティショップ巡りに時間を費やし、そうこうしているうちに夕方5時……そう、ロンドンのような都会と違って、ここ田舎では5時を過ぎるとお店がどんどん閉まっていくのでした。6時ともなるともう、通りを歩く人も少なくなるくらい。久しく忘れてたこの感覚。

夜は昔からあるベジタリアン・レストランの「Willow」で夕食をとり、その後、街で一番古いパブ「Kingsbridge Inn」で一杯。小雨がちらつく肌寒い夜、高台にあるこのパブに着くと、いつものように暖炉が焚かれていて店内がとても暖かい。昔ここに学校の友達と来た時のことなんかが蘇ってきて、ちょっと懐かしい気分になりました。

続いて25日(土)は、朝イチでボートに乗ってダート川を下り、隣町のDartmouthへ。お天気が心配だったけど、乗船中に雨に降られることもなく、約1時間の船旅を満喫。風が強くてデッキにいるのはちょっと寒かったけど、眺めもよくて気持ちよかった。
船から眺めるダートマスの街
ダートマスにも昔、スクールトリップで来たことがあったんだけど、1時間ぐらいしかいなかったような記憶。街の印象は、そうだなあ、ブライトンに熱海を足したような感じか? すごく急勾配な坂道がたくさんあり、それに沿って可愛らしい古いおうちが並んでいて、町が上にのびているような感じ。小道もいっぱいあって、歩いているだけでも楽しいです。





結局ダートマスでも古本屋で長居し、フィッシュ&チップスの店で遅いランチ。時間があまりなくて早食いしたので、後でちょっと胃がもたれたけど、衣がさくっと軽めでうまかったす。

夕方バスでトットネスに戻ってくると、雨が本降りになってきていた。お店もほとんど閉まっていたので、しばらく宿で休憩した後、夕食をとりに再び街へ。フィッシュ&チップスのおかげであまりお腹がすいていなかったのと、外食続きで胃が疲れていたので、ちょっと気になっていた「Rumour」で、軽めのごはんにしようということになった。ここはワインバーと謳っているけれど、どっちかというとガストロパブ風のお店で、もちろんビールも普通に用意している。メニューを見ると、聞いたことのない食材名や、和風のソースなんかも見られて興味深い。とりあえず私は本日のスープと、野菜のグリル&フレグラのサラダという前菜をオーダー。フレグラって何!? と思ってさっくりググってみたところ、クスクスのようなパスタとのこと。いやー世の中まだまだ知らない食べ物がいっぱいあるわー。して、出てきたのがこれ。

いやーこれ、うまかった。フレグラが、というよりも、この温菜サラダがうまかった。なすとかズッキーニとかトマトとかの野菜がしっかりグリルされてて、ご覧のとおり重たい鉄の器にどっちゃり載っていて、食欲をそそる。フレグラはそうね、ややもっちりとした豆のようなパスタって感じで面白い食感でした。しかもね、一緒にオーダーしたスープがこれまためっちゃうまかったの。確かスイートポテト&ネギ&カボチャだったかな……うーんちょっと違ったかも……とにかくスイートポテト他3種類ほどの野菜を使った、味に深みがあるとろりとしたスープで、おそらく隠し味に味噌が使われているとみた。一緒に付いてきたガーリックブレッドも激うま。ベンがオーダーしたピザもかなり美味しかったようで、二人とも大満足。メインの肉料理とかもきっとすごく美味しいと思う。プライスもなかなか良心的だし(ロンドンだったら2割増だろうな)、しかも喉ごしすっきりのコーンウォール産のラガーKorevが£3と安かった! すっかりこのお店が気に入り、「トットネスに来たら必ず行く店リスト」に追加決定です。お腹にもやさしかったし♥

さて、最終日の26日(日)は、徒歩でDartingtonへ。これもかつての私の散歩コース。ダーティントンホールまでの45分ぐらいの道のりを、のどかな風景を楽しみながら歩く。ダーティントンホールにかつて入っていたサマーカレッジはもう引っ越してしまったようだけど、当時よく足を運んだ小さな映画館はまだ健在だったし、よく手入れされた英国庭園も変わらず美しかった。かつて死ぬほど写真を撮ったので今回はあまり撮らなかったけど、とりあえず何枚かパチリ。
燃えるように赤々としたもみじが目に鮮やかでした 
ちょっと日本の神社とか思い出しそうな雰囲気の階段です 
ロビンちゃん。庭には野うさぎもいたよ
当時ブックバインディングを習いに行っていたクラフトセンターにも立ち寄ってみたけれど、どうやらもうなくなっていたようで内装がすっかり変わっていた。とてもユニークで面白いところだったので、本当にガッカリ。4年前に来た時はまだあったのになあ。

Dartington界隈を歩き回った後は手早くランチを済ませ、また歩いてトットネスに戻って来て、宿で荷物をピックアップした後、これまた懐かしの、時々ライブなんかもやってるカフェ&レストランBarrel Houseへ。ここでもう一人の先生、マリーと再会。本当は前日の夜に会う予定だったのが連絡が行き違ってしまい、急遽この日ロンドンに帰る前に会うことになったのだった。Barrel Houseも全然変わってなかったけど、マリーも全然変わってなかった。私が当時通っていた語学学校でまだ教えているらしい。私がここにいたのってもう10年前なんだよーと言うと、マリーも仰天していた。いやほんと実感ないわ。そんなこんなでほんの30分ぐらいしか話せなかったけど、お互いかいつまんだ近況報告はできたし、何より会えてほんとによかった。

そして私たちはトットネス発16:00の電車に乗って、ロンドンに戻りました。あーほんと帰ってきたくなかった。やっぱり大好きトットネス。

しかし唯一の心残りは、当時お世話になったホストマザーのアンに会えなかったこと。4年前に行った時は突然ドアをノックして「ハロー!」と突撃訪問しちゃったんだけど、今回も家の前まで行ってみたものの、何か少し様子が違って見えて、もしかしたらもう別の人が住んでいるのかも……と思い、ドアをノックする勇気が出なかった。誰かが住んでいる気配はあったけど外出中のようで、ひとけもなく……しかも庭にネコ(飼い猫っぽい)がいたんだよね。

ここにもう住んでいないとしたら、どこにいるのかなあ……連絡する手立てがもうないので、ドアをノックするしかなかったのですが、しなかった。次回までお預けかな……。元気だといいんだけど。

■today's disc:Dance/Roy Orbison
4月23日はRoy Orbison Dayでもあります。というわけで、ダンス!