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2015年8月25日火曜日

ポルファボーレ!ポルトガル part1

ウェールズから帰ってきた3日後に、今度はベンのお父さんを訪ねて、ポルトガル南部のFaroへ旅立ちました。昨年、空港到着直後にジャンの訃報を聞き、とんぼ返りして以来の再訪問。私にとっては(去年のそのとんぼ返りはカウントしないとして)初めてのポルトガルです。

フライトは夜7時。夕方、余裕をもって家を出たにもかかわらず、リバプール・ストリート駅に着くとスタンステッド空港行きの電車が全部キャンセルになっていた。途中まで行ける電車があるのでそれに乗るように、と言われてプラットフォームに向かったものの、すごく混んでいて乗車できない。1本見送って次の電車に乗ろうとすると、今度はすべての路線がストップしてしまった。駅員に聞いても、いつ運転再開できるかわからないと言われて呆然。とりあえずコーチ(バス)で向かうしか手がないようだったので、すぐにコーチ乗り場へ向かい、どうにかそれほど待たずに乗車することができたんだけど、もしかしてもしかするとフライトに間に合わないかも!? とハラハラドキドキ。格安フライトなのでキャンセルもできないし、間に合わなかったらこれ、ナショナルレールが飛行機代も含めて全部負担してくれるのかね!? もうこれで飛行機逃して行けなかったら、私たちポルトガルに縁がないんだね……などと話しながら、電車が動かなくなった原因を調べてみると、何やら牛が電車と接触したことが原因らしいとわかった。うーんそうか……。

しかしどうにかギリギリ飛行機には間に合いました。でもスタンステッド空港は相変わらずめちゃめちゃ混んでいて、またそんな時に限って荷物検査のところで引っかかってしまい、いろんなものを取り外して再検査されたんだけど、係員の人たちは人の荷物を大ざっぱに扱うので、私は着けていたバッジをなくされ、そんなこんなで飛び立つ前からかなり沈んだ気持ちになり、ビールがすごく飲みたかったけど、飲んでいる時間もなく、もちろんご飯を食べる時間もなく、そしてライアンエアー機内でも食べたいものが品切れで、なんかもうすっかりグッタリ意気消沈の3時間の空の旅。飛行機も遅れたため、到着して荷物を受け取る頃にはもう夜11時近くになっていた。でもベンのお父さん、ジョンは相変わらずとても元気そうで、にこやかに空港で私たちを迎えてくれて、そこから1時間半ほど、私たちを乗せて自宅までドライブ。やっとおうちに到着した頃には、もう夜1時近くになっていた。その日はグッタリ疲れてすぐに就寝しました。ともあれ、今度こそどうにか無事にポルトガルに到着できてよかった笑。

翌朝目を覚ますと、外はめちゃめちゃいい天気! おいしい朝ご飯をご馳走になった後、ジョンが車で私たちをLagosという近隣のリゾートタウンまで連れて行ってくれました。途中、ドライブウェイから見下ろすMonte Clerigoビーチがとってもきれいでした。
空が、まじで、青いぃぃ!
ジョンがLagosで私たちを降ろしてくれて、夕方までベンと2人で街を散策することに。車から降りた途端にむわーーっと暑い。ジョン&モーリーンの家があるAljezurはここLagosから車で北にたった30〜40分ぐらいのところなんだけど、なんと8〜10℃ぐらいの気温差があるらしく、Lagosの方がかなり暑いのだった。猛暑は苦手なイギリス人がAljezur界隈にけっこう多く住んでいるのも納得。しかし日本の酷暑を懐かしくさえ思う私は、この暑さにややテンションが上がりましたよね。こ、これぞ夏じゃ〜!っていう。


南国の陽気と初めてのポルトガルの街に興奮して、好奇心丸出しであっちこっちお店を覗きまくる私に、すでに暑さにやや辟易気味になっていたベンがだんだんうんざりしてきた。ベンいわく、このあたりはイギリス人やドイツ人、フランス人のホリデーメーカーが夏に遊びに来るところで、私たちが歩いている通りは完全に観光客向けのみやげ物(orいやげ物)通りなので見てもロクなものはない、と。確かにだんだん目が慣れてくると似たような店が多いのに気づく。なるほど、ここはイギリスで言えばデボンのトーキーのような感じなのかも。しかしイギリスにトータルで7年ぐらい住んでいるのに、その間にヨーロッパを純粋に旅行目的で旅行したのは(=Mads&Louiseを訪ねたコペンハーゲンを除いて)たったの1回だけ(スペインのバルセロナに2008年だか2009年に行っただけ)という私の目には、何もかも新鮮に映っちゃったんだよね、だはは。

繁華街から街の中心地を抜けて、そのままさらに歩いていくと、小道や路地が続くエリアに出た。古い建物や、廃墟となっている建物がぽつぽつ点在していたりして、歩いているだけでも楽しい。
このように放置されている廃墟をよく目にします
趣味がいいんだか悪いんだかよくわからないドアのハンドル
ここもまた廃墟。かつてはバーか何かだったらしい(by 覗き屋ベン)
この静かな一本道がまたいい感じでした。もう一つの窓からも覗いてみたりして
木のドアのところもよく見てみて。誰かいるでよー
突然現れたアダルトなお店。観光客向けなのかしら…

左側の建物のタイルの装飾が印象的でした
こちらもとても古そうな建物。1階にカフェが入っているようだったけど、営業しているのかどうか不明でした
建物の反対側からの眺め。屋根のシェイプがなんだか手描きのようで目を引きます
昼下がりの静かな住宅街
ブラブラ歩いていたらお腹がすいたので、手頃な感じのカフェに入ってみた。英語のメニューもあったけど、ローカルっぽい人たちが食べているものがメニューでは見つからなかったので、ショーウィンドーのところまで行って直接指差し注文。ちなみに私がオーダーした薄いチキンカツレツは、まさに日本にもありそうな一品で、ポルトガルと日本の洋食文化の接点見たり!? 遡ること16世紀……ってな感じでした(天ぷらも実はポルトガルが元祖という話をどっかで見たんだけど、ほんとかな!?)。そういえばそのカフェの向かいに「Osaka」という寿司屋があったのですが、看板に併記してあった日本名が「おさか」となっていて、明らかに日本人経営ではない様子でありました。

食事と一緒にビールを注文したら、半パイントの量の細長いグラスで出てきた。値段が全然わからなかったのと、まあ昼間ということもあるので、とりあえず1杯で留めておいたんだけど、後で会計したらなんと1杯70pぐらい(ロンドンだったらハーフでも£2.50ぐらいする)ということがわかり、なんだーこれなら3杯ぐらい飲んどくんだった!と後悔。食事もすごく安くて、かなりボリュームたっぷりだったのに、二人でたったの€10程度でした。

そのカフェのすぐ近くに美味しそうなベーカリーがあったので、立ち寄ってみました。お目当てはもちろんポルトガルを代表するお菓子、エッグタルト! これがめっちゃウマかった!ロンドンでも時々買っちゃうけど、やっぱり本場のはペストリーがサクサクだし中のクリームが絶妙な味でウマいな〜。写真を撮るのを忘れたので、代わりにベーカリーのショーケースを……。
ペストリーやクッキーなどなどみんな美味しそう……

こちら、おそらくカステラの原型、マデイラケーキだと思われます
食事の後は、港の方へ歩いて行ってみた。ビールが安いということに気づいた私たちは、スーパーに立ち寄って瓶ビールを何本か購入し、川岸で飲むことにした。暑いので水のように飲んでしまう。そんな中、ベンが突然「急に思ったんだけど、こんなに暑いし川もベンチもあるのに、誰も路上で飲んでないよね。もしかして路上飲みが禁止だったりして」と言い出し、そう言われてみると確かに……。気になってさくっとネットで調べてみたけど、そんな記述は特に見当たらなかったので、多分大丈夫だと思うのですが(もしどなたかご存知でしたらぜひ教えてください)、なんにせよイギリスだったら絶対誰かしら飲んでるよねこの天気とこの雰囲気、なのに、誰も飲んでないなんて……と思ってしまうあたりがアレですよね。

ところ構わず飲みたくなる気候とムードなのよね
そろそろジョンが迎えに来る時間が近づいてきたので、待ち合わせ場所のパーキングに向かった。なんだかんだあっという間で、見たかったはずの教会にも辿り着けず、最後はバタバタしてしまった。港に面した砦の中を見る時間もなかったので、とりあえず入口付近だけ覗いてみたら、なにか砦とはかけ離れたモダンアート的なサイトが目に飛び込んできたので、とりあえず一枚。

さて、夜は地元Aljezurの小さな町にあるレストランへ連れて行ってもらいました。ポルトガルといえばやっぱり魚介料理。お魚も美味しそうだったけど、私はどうしても捨て難かったイカを注文しました。そしたらこれが当たりでめっちゃウマかったんだよね!イカといっても出てきたのはホタルイカのような小さなイカで、たっぷりのガーリックとオリーブオイルで調理してあって、クセになっちゃうお味。テーブルに運ばれてきた時は、こんなにたくさん食べきれないと思ったけど、なんてことはない、全部一人で平らげてしまいました。付け合わせは定番のじゃがいも(フライドポテト、茹でイモから選べる。私は茹でイモを注文)と茹でたさつまいも。これも美味しかった。

こちらはベンとジョンでシェアしたお魚のグリル(何の魚だか忘れました)。
写真だとホッケか何かのように見えますが、実物はその2倍ぐらいの大きさ
それにしてもこっちのメニューって、初めてだと選ぶのが難しいと思う。だって例えば魚料理なら、魚の名前しか書いてなくて(調理方法などは書いていない。でも大抵の場合がグリル)、しかもキロ単位で値段が書いてあるので、分量を指定しない限り、いったい自分が注文する料理がいくらになるかわからない(例えば「サーモン:1キロ €30」とか書いてあるんだけど、実際にスライスされて使われるのが500gだとすると、お値段は€15となる。でもその分量って基本的にシェフの裁量で決められているっぽい)。

食後は町のはずれの高台にある、古い城跡(1000年以上前の城跡だったと思う)に立ち寄り、ライトアップされたお城とともに、眼下に広がる町一帯の夜景も楽しみました。

というわけでポルトガル1日目、フルコースで満喫させていただきました。

■today's drink:ジョンいわく、夕方5時には自宅の、通称「ジン御殿」でジントニックを飲むのが日課(イギリス人って夕方とか食事の前にジントニックを好んで飲むんだよね)。この日も夕食に出かける前にジントニックをみんなで飲んだんだけど、このジンがイギリスでは見かけない、というかおそらく手に入らない、カナビスジン。これを飲んだからって別にマリファナ的効果が得られるわけじゃなくて、単に香料か何からしいんだけど、味は普通においしかったです。


この夏のウェールズ訪問

昨年ロンドンに再び移住してから、あっという間に丸一年が経ちました。ベンのお母さん、ジャンの一周忌が目前に迫った7月末、再びウェールズへ。一周忌と言っても、日本とは違って何か儀式的なことをするわけではないのですが、お墓参りをして、みんなで集まってと、まあ、結局のところ日本とそんなに変わらないような気もします。

ウェールズに向かった7月最後の木曜日はちょうどベンの誕生日でもあり、カーディフからポールも帰郷してきていたので、クリスがSaundersfootにあるフィッシュ・レストラン、Mermaid on the Strandに連れて行ってくれました。ここには以前にも何度か行ったことがあるんだけど、フィッシュ&チップスがうまい! しかも目の前は海という素晴らしいロケーション。今回もいつも通りフィッシュ&チップスをおいしくいただきました。
案の定、とっても大きくて食べごたえたっぷりでした
店内から見えるビーチがちょうど東側で、沈む太陽は見えなかったんだけど、夕陽の反射で水平線がうすーいピンクに染まっていてとってもきれいだったので思わずパチリ。
ぼんやり浮かんでいるのは太陽じゃなくて月ですな
写真は一切、加工なしです。ほんとにこんな色でした
翌金曜のジャンの一周忌は、おじいちゃんとコリン&デビー(ジャンの弟夫妻)一家(総勢8名)がやってきて、クリスが腕をふるい、みんなでBBQディナー。久しぶりの再会だったけど、みんな相変わらず明るくて面白くて可愛くて、そしてとても元気そうでよかった。

そして土曜は、またまたポールの運転する車で、Amrothというシーサイドタウンへ連れて行ってもらいました。ビーチもいいんだけど、お目当てはナショナル・トラスト所有のColby Garden(Colby Lodge)。静かな森の中を歩いていくと、すてきな野原が広がっていて、家族連れが遊んでいたりして、なんだかとても心なごむ場所なのでした。

敷地内に地元の母娘グループで経営しているというカフェがあり、ここのスコーンが美味しいということで、立ち寄ってみました。ちょうど小雨もパラついてきたので雨宿りがてら。
すごく大きいスコーンでした!噂どおり美味しかったです
クリームティーを満喫した後は、また森の中をウォーキング。ほんとここ、落ち着くわあ。マイナスイオンが出まくってるのかなあ。


小さなブリッジを見つけたので、3人でプースティックス・ゲームをしました。プースティックスってバンドもいるのに、あまり意味を考えたことがなかったんだけど、これって「くまのプーさん」に出てくるゲームなんだね。それぞれが適当な木の棒を見つけてきて、それを橋の上から川へ落とすだけ。それで、橋の反対側から一番最初に出てきた棒が勝ち。
いつもこれ、ベンが勝つんだよね。しかし兄弟2人して橋から川を眺めているのがなんか微笑ましいのだった
そんなこんなでのどかな森の中のお散歩を存分に楽しみました。ちなみにこの日のAmrothのビーチはこんな感じでした。

ところでベンの実家の庭にはいろんな木々や花々が植わっているんだけど、なかでもグンネラ(通称ジャイアント・ルバーブ)という植物、私はここに来て初めて見たのですが、まるで熱帯のモンスター植物のようで、ちょっとすごいのです。冬場は完全に枯れてしまってその一帯は何もなくなってしまうんだけど、春になって暖かくなるとムクムクと蘇ってきて、ピークを迎える夏には葉っぱも巨大になり、それこそ傘になりそうなぐらい、いやそれ以上に大きくなります。
見て、この大きさ! 冬になるとこれが完全になくなっちゃうっていうのが不思議なぐらいデカイのです。
茎もコワイぐらいにデカくてスパイキー
さて最終日の日曜は、コリン&デビー一家がランチに招待してくれました。午後3時半の電車に乗らなければならなかったので、あまりゆっくりはできなかったんだけど、長男のジェイミーがサンデーローストをつくってくれて、またまたみんなでワイワイ食事しました。個人的にはやっぱりこの家の3匹のわんこたちに会えたのがうれしかった、ははは。
廊下でちょっとお昼寝中のスクービーとロキシー
というわけで、ウェールズは相変わらずのどかできれいでした。次に訪れるのはクリスマスかな……。

■today's Mr.White: 今回もホワイトさんちのパン屋さんに立ち寄りました。最近は体力的な問題もあって、週4日の営業らしいんだけど、カウンターで一人ひとりのお客さんと話し込んでいる(だからいつも行列ができている)ホワイトさんは、相変わらずお元気そうでした。週4日、11〜14時の営業時間を知らせる掲示に「パンがうまくいったら10時半に開店します。外に看板が出ていたら、店にいます(「Out」と「About」で韻を踏んでる)と書いてあって可愛い(笑)。