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2015年12月31日木曜日

バイバイ2015

2015年もいよいよ終わり。日本はもう明けましたね。おめでとうございます。

クリスマス直前からウェールズに来て、あっという間に1週間。昨年は天気に恵まれて、滞在中あちこちウォーキングに出かけたりしたけど、今年はずーっと雨、暴風雨続きでほとんどどこにも行けてません。英国北部は深刻な洪水被害に見舞われていて、それどころではない騒ぎですが……。でも先ほどほんの数時間だけパアッと晴れたので、久々に近所をぶらぶら歩いてきました。曇り空だととても寒々しいカントリーサイドの風景も、日射しを浴びると途端にきらきら輝いて見えるのがすごい。
風が強くてちょっと寒いけど気持ちいい


今年のクリスマスも、昨年と同様にクリス、ベン、ポール、私の4人で過ごしました。今年はさすがに料理しないわけにはいかないかも……と内心ひやひやしていたのですが(笑)、メインの料理は昨年同様クリスが担当し、ターキーは丸焼きじゃなくて胸肉のローストにサイズダウンしました。私たちは野菜などを手伝い、また肉を食べないベンは、クリスのアイデアで、サーモンのクルートを作りました。

サーモンの切り身(巨大)の間にほうれん草とパプリカを挟み……
パイ生地で包みます
気持ち、クリスマスの飾りを
オーブンで焼いてできあがり
クリスマスの食卓
スモークサーモンの前菜
相変わらずとても美味しかったローストディナー
デザートにはクリスマス・プディングをいただきました
今年は去年の教訓からなるべく食べ過ぎないように気をつけて、ローストディナーも取り分を少なめにするように心がけました。おかげで死ぬほど満腹になるようなことにはならず、目安のために持参したキツめのジーンズのファスナーもまだちゃんと閉まります(笑)。それにしてもクリスは本当に器用で、改めて感心してしまいます。彼の手づくりのミンスパイも、相変わらずとても美味しいのでした。

お菓子といえば、おなじみホワイトさんちのベーカリーのジャムドーナツを今回初めていただいたのですが、とても美味しかった! 昔ながらのジャムドーナツ、絶品です。

おなじみのホワイトさんのパン屋さん
クリスマス翌日のボクシングデーは、昨年同様、ベンのお父さん方の親戚の毎年恒例の集まりへ。みなさん相変わらず朗らかで、和やかなひとときを過ごしました。

マギーおばさんの犬アルフィーも相変わらず元気いっぱい
めっちゃ舐められて、この日はしばらく「犬の匂いがする」と言われてました
そしてその翌日はベンのおじさんのファミリー宅へ。前にも紹介したことのある、犬が3匹いる家ですが、な、なんと今回1匹増えて4匹になってました!! きゃーっ♥

この子が新入り、生後6ヵ月のコスタ
この通りの可愛さ♥
犬の綱引き、かなりワイルドで興奮し始めるともう大変です
そうそう、ベンの実家にもいちおうネコが2匹いるのですが、もともと彼らは野生のネコで(今も半野生)、この家に出入りするようになり、住人に懐くようになるまで5年ぐらいかかったそうで、私はもちろん、ベンにもあまり近寄ってこない。ここに住んでいるクリスとポールにはもうかなり慣れているので撫でることもできるけど、私たちに対しては、足音が聞こえるだけでさーっと逃げてしまったり、クリスとポール以外の人がいる部屋には入ってこなかったりする。ところがここ数年の間に何度か足を運んでいたせいか、今回の滞在中、私が傍を通りかかっても逃げなくなった。まだ半径1m以内には近寄れないけど、かなりの進歩です。そのうちナデナデできる日が来るかしら!?
この日は写真まで撮らせてくれましたよ!
というわけで以上、今年のクリスマス&動物ダイジェストでした。2015年はこちらウェールズで年越しです。そろそろ今年最後の夕飯の準備……英国では特に大晦日の料理とかないので(お正月とかないし)、日本の年越しそば的な感じでヌードル、でもそばじゃなくて麻婆ラーメンです(笑)。

2016年が、みなさんにとって実りある素敵な一年になりますように!
ハッピーニューイヤー!

2015年12月30日水曜日

イベントの秋(冬)・後半

秋どころかもう年末になってしまいましたが、乗りかかった船、書きかけたブログ、というわけで「イベントの秋・前半」に続く後半です。

11月は、やはり毎年恒例のStatic Shock Weekendからスタート。今年も連日気になるラインナップだったけど、他の予定との兼ね合いもあり、とりあえず木曜と金曜の2日だけ行くことにしました。以前、時々手伝いに行ったり募金ライブをしたりして微力ながらサポートしていたDIY Space for London(DSFL)がついに9月にオープンし、その後、オープンデーやコレクティブ・ミーティングなどで何度か足を運んではいたものの、まだライブは見ていなかったので、私にとっては今回のStatic Shock WeekendがDSFLでの初ライブ鑑賞でした。

DSFL自体、Static Shock Records周辺の人たちも多く関わっているだけあって、ウィークエンダー初日の木曜にしてソールドアウトの大盛況ぶり。そうそう、ここにはTome Recordsというレコード屋も併設されていて(聞くところによればかつてFlashback Recordsで働いていたらしい、Primitive Partsのメンバーの一人がやっているお店)、ここがまた小さいながらも新旧入り交じりのグッド・セレクション(ランダムではなくて選んでるな〜というのがわかるセレクション)なうえに、料金設定もとてもリーズナブルで良心的なので、行くたびについ立ち寄っては買物をしてしまうんですな。委託もOKで、私も日本から持ち帰ってきたThe DeathとLIPUPSのスプリットテープを持ち込んでみたところあっさり承諾してくれて、しかも仲介料とかも全然取ってない様子。なんという寛大なレコード屋なんでしょう。

さて肝心のライブは最初のバンドを見逃しちゃったけど、イタリアのSang、スペインはマヨルカ島のTrance(ラモーンズをさらにモサくした感じのオールドスクールパンクでGoodでした)などの後、楽しみにしていたLove Triangle。さすがかっこよかった。ベンが近くにいた人の会話を盗み聞きしたところ、ベーシストが急に出演できなくなったそうで代理の人だったらしく、しかもこの日の朝に初めて合わせたんだとか笑。それにしてはすごいバッチシで、全然そんなこと感じさせなかった。

しかしこのギターリストで元Shitty Limitsの彼、Good ThrobやPersonnel、Noなどいろんなカッコいいバンドでやってますが、この後しばらくしてスペインに引っ越しちゃったそうで、とりあえず彼が関わっているほとんどのバンドが休止または解散になってしまうらしいという話。個人的に全部好きなバンドなのでかなり残念ですが……。

さて、この日の最後はSauna Youthでした。ずいぶん前に見た時は違う編成だったけど、この日のセットでは女性ボーカルになっていて、Monotony(Sauna Youthが全く同じメンバーでやっている別のバンド)の曲もやったりしていた。いいセットだったけど、正直なところSauna Youthはいま一つビビビとこないんですよね私……なぜだろう、ちょっと私にはアート寄りすぎな感じがするのかもしれません。

ウィークエンダー2日目となる翌金曜は、やや広めのヴェニュー、Tufnell ParkのDomeにて。この日はハードコアがメインのラインナップ。私はGood Throbが目当てだったけど、Perspex Fleshや、前日に出たTranceのメンバーがやっているOrden Mundial、トリを務めたLAのBlazing Eyeもよかった。
Perspex Flesh
Orden Mundial
Good Throbは相変わらずカッコよかった。特にこの日は音がよかったような。
こちらはトリのBlazing Eye。

どのバンドも曲が短めなので、この日は予定より早く22時半すぎぐらいに終わっちゃいました笑。まあ、この後「深夜の部」が別のヴェニューであったんだけど、これには行きませんでした。なので今年の私のStatic Shock Weekendはこの2日間で終わり。実は翌日土曜に見たいバンドが多数出演していて行きたかったんだけど、友達のナッチョが同じ日に、地元スペインから来ていた彼の友人バンドのライブを主催していて、残念だけど両方に足は運べそうになかったので、Static Shock Weekendの方は諦めたのでした。

でもそのスペインから来ていたナッチョの友達バンドFuturo Terror、カッコよかったです。日本でも好きな人多いんじゃないかなあ。「XXXが好きな人には絶対おすすめ」って言いたいんだけど、今ちょっとその「XXX」がパッと思い浮かばなくて(でも絶対似てる感じのバンドがいくつかあるんだけど…だーーーごめんなさい、今ぱっと出てこない)、速くてストレートなパンクが好きな人ならまず間違いないはず(すいません大ざっぱで笑)。とりあえず以下を見ていただけるとおおよそわかるかと。
Futuro Terror
ドラマーがかなり速くていいドラミングをしていたんだけど、後で聞いたら彼は今回、代理だったそうで、いわく「正規のドラマーは自分よりさらに速い」んだそう。えー!どんだけ〜!(ってこれもう死語ですか?)

このFururo Terrorの音源のほか、スペインの最近のガレージパンクやポストパンク系などのいいバンドをリリースしているdiscos humeantesというレーベルが、実はこのたび終焉を迎えてしまうそうで(オーナーとしては、レーベルがだんだん大きくなってきて、なんとなく商業的になってきたのを嫌っているようで、このへんで閉めるか、という結論に至ったらしい。ある意味潔いですね…)それは残念なのですが、Bandcampに関連バンドのコンピレーションをアップしていて、ダウンロードも可能なので、興味のある方はぜひ。日本ではほとんど知られていないけど、絶対に好きな人いっぱいいそうな音源(しかもバラエティに富んでる)がたくさん見つかりますYo!

続いて翌週末、急遽決まったSheer Mag追加マチネ公演 in DSFLへ。数週間前のライブは売り切れ、Static Shock WeekendはFuturo Terrorとカブったため見逃していた私にはうれしい限り。しかしSheer Mag、何か最近意外なまでに人気でびっくり。7インチを聴いたところ、とにかくヴォーカルが素晴らしいけど、音はまあ、言ってみれば昔ながらのロックサウンド。ベンなんか「よくある70sロックの焼き直しじゃないか」と言って全然興味なし。でも私はどうしてもちょっと気になるというか、惹かれる部分があって、一度は見てみたいと思い、この機会に足を運んでみました。

で、実際ライブを見たら、期待どおり良かった。でも個人的な印象はやっぱり80%はヴォーカルの魅力という感じだったかなあ。もちろんバンドサウンドもとても良いのですが、しかし何より彼女の声がすごい。正直ヴォーカルが平凡だったら、ここまで引きつけられないような気がするんだよね。完全に余談ですが、ライブ前に物販の脇に座っていたヴォーカルの彼女の足をうっかり踏んでしまったので謝ったら、すごく可愛いというか優しい笑顔を返してくれて、いい人なのがすぐわかりました。



そしてこの日は、SSWで見逃したEfialtis、そしてこれが最後のライブとなるNoを目当てに、夜も再びDSFLへ赴きました。Efialtisはギリシャ出身の女子3ピースバンド(ドラムはGood ThrobやDregsなど複数のバンドをやっているブライオニー)で、1年ぐらい前、おそらく結成当時に一度だけ見て以来でしたが、なんというか、より一層味が出ていてよかったです。
Efialtis
そしてNoのライブを見るのは今回が最初で最後だったんだけど、Black Flagを彷彿させるものがありました。ビックリしたのは、このバンドでものすごいワイルドなベースを弾いていたベーシストが、PAMsも何度か一緒にライブをしたことがあるGloss Rejectionというバンドのギターリストの人だったということ。まあ全然違うタイプの音楽だということもあるけれど、見ていて全く気づかないほど全然違ったので新鮮な驚きでした。
この日はほかにSnobやArms Raceなども出演、なかなか見応えのあるパンク&ハードコア・ナイトでした。

続いて翌週月曜、Cafe OtoにNecksを見に行きました。Necksは、えーと、アヴァンギャルド・エクスペリメンタル・ジャズとでもいうのかな? 私はこの手の音楽は普段、受け身でしか聴いていないのですが、ベンは前にも彼らのライブを見たことがあり、寝る前とかに時々レコードをかけていていい感じだったので、私も一度ライブを見に行ってみることにしました。今回はロンドン・ジャズフェスティバルの一環で、Cafe Otoで3日間連続のレジデンシー・ショーが満員御礼。ライブ自体は即興のインストゥルメンタルで、効果音の連続のようでもあり、1曲が長いので、私にはちょっと「大人っぽすぎ」な感じだったけど、時々、一体この音はどこから出てきてるのかな?という音が流れてきたり、楽器なのか工具なのか、はたまた大人のオモチャか何か!?(笑)と思うようなものを演奏に取り入れたりしていて(特にドラマーのノイズメーキングが面白かった)見ていて興味深かったです。私が普段、好んで聴いている音楽は、概して聴いていて自分を忘れるというか、どっかに連れていかれる感じのものが多いけど、今回はどちらかというと、聴いていて自分の内面にどんどん入って行くような音楽でした。
Necks
2日後の水曜は、Beat Happning、 KレコーズでおなじみのCalvin Johnsonのソロアクトを見にロンドン北西部のキルバーンへ。かつて北ロンドンに住んでいた頃、今はなきLuminaireというヴェニューにライブを見に行くために当時は時々キルバーンに足を運んでいたけれど、この数年はまったくのご無沙汰でした。今回はThe Tin Tabernacleという聞いたこともないヴェニューで、しかも開始時間が早く、前座も1つだけ。で、ヴェニューはその名のとおり、トタンで覆われた古いチャペル。1863年に建てられたそうで、英国の重要建造物リストのグレードⅡに登録されているという代物。北ロンドンのSea Cadets(海洋少年団)の本拠地でもあるらしく、建物内には関連品があちこちに置かれている。「子どもの頃に通った場所を思い出すような……建物の中の匂いも懐かしい感じ」とベン。日本でいうと、かつて別の用途で使われていた建物を公民館とか児童館として利用しているような感じの場所かと。バーはないので、代わりに主催のUpset the Rhythmの人たちが、瓶ビールとワインを用意しておいてくれてたのも、雰囲気に合っていてよかったです。
みんな早くから来て席を確保
建物内を眺めてるだけでも面白い
肝心のCalvin Johnsonはサイコーでした。私は初めてこの彼のソロアクトを見たんだけど、とにかく独特のちょっと芝居がかったパフォーマンスから目が離せず、思わずニンマリしっぱなし。しかもなんかこう、一曲一曲が愛に溢れてるんだよね!! コミカルともいえるパフォーマンスとともに、真っ直ぐ目を見て「アイラブユー、アイニージュー」と安っぽくなることなく歌えるのは彼しかいない!と思う半面、あの堂々とした雰囲気の中に時々ちらっと覗くシャイな眼差しがカワユイ笑。つまりは、ものすごくチャーミングなお人柄が滲み出てるんですなー。見終わってとてもハッピーな気分になったライブでした。
Every woman is beautiful♫っていう曲がじーんと染みました
さて週末はまた DSFLへ。Gloss Rejectionがこの日で解散だったのですが、今まで見た中で一番いいライブだったなあ。以前はそこまでピンときてなかったんだけど、今回のライブを見て音源を家で聴いたら何かすごくしっくりきて、これで終わってしまったのがとても残念でした。

そうこうしているうちにあっという間に12月……あれやこれやとほんとに多忙でした。で、見に行ったのは、The Nation of UlyssesやChain and The Gangで知られるIan Svenoniusのソロアクト。チケットがすぐ売り切れになって、もう1日追加されるほどの人気ぶりだったのも驚きでしたが、ベンが大ファンなのでチケットをソッコー取っており、1日目に見に行きました。いやーしかしこれ楽しかったわ。前座のOlivia Newtron-john のインパクトもすごかったけど(あのダンスは本当に必要なのか疑問だがw)Ianのオーディエンスを巻き込む濃ゆいソロがたまらずよかった。ベンは、ライブが始まる前に物販テーブルに彼の著書があるのを見つけてすぐに購入。ちょうどサウンドチェックを終えた彼がバーエリアをうろうろしていて、とてもフレンドリーな雰囲気でニコニコしていたので(彼の形相からするとニコニコというよりニタニタという感じだけどw)せっかくだから話しかけてサインしてもらえば!? と言ったんだけど「尊敬している人に話しかけるのは苦手だからいい」と言って、最後まで結局話しかけず……w 
私に言わせれば彼はDIYパンク・バージョンのプリンス笑


そして今年最後のロンドンでのライブ鑑賞は12月19日(土)、イーストロンドンのハックニーにあるヴェニュー、Osloに見に行ったJeffrey Lewis&Los Bolts。Jeffrey Lewisを見るのはそれこそ2013年にブライトンで見た&Peter Stampfelの素晴らしかったショー以来。いつもアイデア満載で毎回異なるセットを披露することで有名なJeff Lewis、今回はまた別名儀でどんなショーになるのかと楽しみにしてました。しかしこのOsloっていうヴェニューが全然好きじゃなかったのに加え、前座バンドもイマイチ、その上この日はこの後、クラブナイトが予定されていたようで、なんと21時半までには撤収しなくてはならないという状況で、なにかJeff本人もオーディエンスの私たちもいまひとつ乗り切れない部分があったような。ライブ自体は全然非の打ち所なしだったんだけど。 ジェフが自身のコミックスをスクリーンに映し出して披露するお馴染みのマンガ・タイムは相変わらず楽しかったし、ベーシストの女の子もすごくよかったし。やっぱ場の雰囲気かなあ。次回をまた楽しみにしたいと思います。

そして実は、今まで何度もいいライブを見に行き、PAMsも何度かライブしたりしてお世話になったイーストロンドンはDalstonのヴェニュー、Power Lunchesがこの12月で閉店してしまうことになり、この日にファイナル・パーティーが開催されていたので、この後そのままその足でPower Lunchesに向かいました。収容人数100人のところに、フェイスブックのイベントページでは800人が「参加する」と言っていたとのことで、一体どうなるのやら!? と思ってたけど、どうにか収まってました笑。おなじみの顔ぶれがみんな集まっていて、ライブあり、DJありで、この4年間、ロンドンのDIYシーンを支えてきた貴重なヴェニューの最期を惜しみました。

思えば私の初Power Lunches体験は、2011年、おそらくオープンして間もない頃に、ベンと一緒に見に行ったアメリカのReal Numbersのライブでした。Hipshakesのほか、HipshakesとBlack Time、City Yelpsのメンバーがやっていた(たぶん)1回限りのスピンオフ的なバンドCrawling Ageと、私はイマイチ覚えてなかったんだけど(たぶん見逃したのかな)当時まだ無名だった(笑)Sauna Youthが一緒にやっていた。すごくいいライブで楽しかったのを覚えています。あれからはや4年……うーん。今ロンドンではこのぐらいのキャパの、無名のDIYバンドでも気軽にライブができるようなヴェニューがほとんどなくなってきていて、淋しいのはもちろんのこと、私たちにとっては危機的状況です。そのうえ最近、身近の好きだったバンドが立て続けに解散したり、活動的なミュージシャンがロンドンを離れたりしていて、来年は一体どうなっちゃうんだろうか!? と思わずにはいられないのでした。
お世話になったPower Lunchesの悪名高きトイレ
■today's disc: Motorhead / Motorhead
レミーさんの訃報に接し、今日は一日モーターヘッドを聴いています。合掌。

2015年12月24日木曜日

メリクリ!

昨日からクリスマス休暇でウェールズに帰省中です。というわけで、取り急ぎ……
メリークリスマス!


Wishing you all happy holidays! 

2015年12月7日月曜日

イベントの秋・前半

この2ヵ月に足を運んだイベントやライブなどのまとめ前半です。

まずは日本から帰ってきた翌日に行ったのが、イースト・ロンドンはHackneyOval SpaceであったESGのライブ。もともと今年の春に予定されていて、チケットも取ってあったんだけど、メンバーのご家族に不幸があったらしく、延期になっていたのでした。サポートは、最近ニューアルバムを出してアメリカでも長期間ツアーしてきたロンドンのShoppingと、グラスゴーのGolden Teacher。特にGolden Teacherは今回初めて見たんだけど、すごいカッコいいレイヴ・バンドで、思わずバッグを放り出して踊りまくらずにはいられませんでしたよね笑(その代わりライブ後にバッグのヒモが取れた)。その雰囲気をちこっとだけお裾分け。

トリのESGも初めて見ましたが、すごくよかった。素朴でミニマリスティックでローファイなんだけどグルーヴ感があって踊れて、しかもあったかい雰囲気。ナイス!
      
翌週は、おなじみ近所のVinyl DeptfordDog Chocolateがライブをするというので覗きに行ったほか、ずっと見たかったけど今までチャンスに恵まれなかったThe Black Tambourinesがこれまた近所のNew Cross Innでライブということで、繰り出しました。正直なぜ彼らが、New Cross Innでのランダムなラインナップのライブに出てるのかナゾでしたが、ライブは期待通りすごくカッコよかったので満足でした。ギターの一人がアメリカに行っているとかで、今回はヘルプさんだったようなのですが、実はBlack Tambourines、次の週にPeach Kelli Popのサポートもしていて、その時にはレギュラーメンバーでやってたんだけど、正直私はこのヘルプのギターで見たセットの方が好みでした。

続いてイースト・ロンドンはHackney Wickのしんとした住宅街を越えたところにポツンとあるヴェニュー、Old Bathsに見に行ったのがThe Space Lady。彼女については時々名前を見かけていただけであまりよく知らなかったのですが、ベンがファンで、前回のライブを見逃したので今回はぜひとのことだったので、レコードを聴かせてもらうと、すごくよかった。というわけで私も行くことにしました。

てっぺんの電球がピカピカ発光する、Dr.スランプ・アラレちゃんみたいな帽子を被り、カシオのキーボードとともに一人でステージに立つSpace Lady。カシオの電子音とやわらかい歌声のハーモニーが心地よく、ふわーっとどこかへ連れて行かれるような感じ。その純粋な雰囲気に、最初の2曲ぐらいでちょっとグッときて涙が出そうになったけど、でもだからといって夢見がち一辺倒ではなくて、光と影が同居したような印象もあるし、地に足のついた、どこかシャープな切れ味もあります。60年代や70年代の曲、ビートルズやデヴィッド・ボウイなど大物のカバー曲もたくさんやるんだけど、彼女がやると何かすごく説得力があるのだった。例えばそのへんの若いバンドがビートルズのカバーやったって、ふぅーんで終わっちゃうところだけど、あの時代を実際に生きて、あの曲が、辿ってきた人生に普通に刻まれている人がカバーすると、やっぱり何か訴えかけてくるものが大きいように思いました。

すっかりファンになってしまった私は、ライブ後にTシャツを購入(しかもベンともども手持ちのキャッシュがなかったので、このためだけに徒歩10分ぐらい先にあるATMまで走った、という)。本人のサインも入れてもらえるとのことだったので、お願いしました。自分の名前を言うと「まあ!すごい名前ね」と言ってくれて、ついでに「ラブ&ピース」とまで入れてくれた笑。私の名前は日本ではちょっと変わっているけど、欧州では禅の影響とかで、言葉として知っている人が意外に多い(ヒッピー系の人とかは特に)。その都度「いや、でも私の名前は、響きが一緒というだけで、意味は違うんです。というのも、日本人の名前は……」と長々説明するはめになり、いつもとてもメンドイのだが、今回ばかりはもう「ハイ、ありがとうございます」で済ませました笑。

さらにこの翌々日、 Peach kelli Pop(相変わらず可愛かった)を見に久しぶりにDalstonVictoriaに行ったら、内装や雰囲気がものすごいトレンディな感じになっていてビックリした。数年前までは地元のアフリカ系のおじさんたちがたむろして、野性味溢れる肉料理とかを食らってたりする、ちょっと柄の悪いオヤジパブだったのが、そんな雰囲気はもはや微塵もない。行くたびに徐々に若者向けになってるなあとは思ってたけど、ここまで変わっちゃうとは思わなかった。近所のShacklewell Armsもそうだけど、こうやって、かつてローカルの人たちの憩いの場だった場所に外からの資本が入ってきてどんどんトレンディ化していくのを見るのはなんだか複雑な気持ち。治安が良くなるのはいいけれど、それによってすべてが均一化していくのも否めず、街の面白さがどんどん減っていく感じがする。何よりも地元の人たちにとっては、かなりいい迷惑なんじゃないかなあ。
   
しかし翌週またそのDalstonへ、Cafe OtoにSun Ra Arkestraのマチネショーを見に行きました。週末にしばしば地下鉄が工事で止まるロンドンだっていうのに、交通情報をチェックせずに出かけてしまって、案の定すんなり行くことができずハラハラしたけど、どうにか間に合ってよかった。それにしても91歳のマーシャル・アレン氏をはじめ、みなさんの自由度の高さといったらもう他に類を見ず、しかしこれが絶妙に調和しちゃってるんだからすごいのでした。


ショーは途中休憩を挟んだ2部構成だったんだけど、何のアナウンスもなく1部を終了したので、これで帰っちゃった人もいたんじゃないかしら笑。最後はメンバーが会場のあちこちに散らばり、時にはマーチのような形態で(なんとなくサファリを行進するゾウを思い出した)、時には一人で、といった感じで思い思いに自分の楽器をかき鳴らし、会場がものすごい自由な空間になってました。最近のロンドンのDIYバンドの録音を一手に引き受けているイースト・ロンドンのスタジオSoundSaversのマークが、ちょうどこのショーのサウンドを担当していたんだけど、後で話を聞いたら「いやー彼ら本当にすごいけど、サウンドチェックは一切しないし、ちょっとアタマおかしいって笑! サウンド担当は1回のライブで懲りた笑」と言ってた。何はともあれ、見に行ってほんとよかった。夜は、1974年のSun Raの映画「Space is the Place」を家で堪能しました。

さて、10月最後の週末はハロウィーン・ウィークエンド。木曜の夜、近所に住むキャリース&ラスの家でほぼ毎年開催される「ハロウィーン・仮装したい人は仮装&ピザ食ってホラー映画鑑賞会」へ。こっちの人のハロウィーンの仮装の凝り方といったらそれはもうハンパなく、当日の電車の中なんかもう、ほんとゲテモノ集団だらけですごいことになってるんですが、私は仮装はキライじゃないけどそこまで時間もお金もかける気はない方で、ベンに至っては仮装への興味がほぼ0で、仮装パーティにも仮装せずに出かけるような人。というわけで、ベンはもちろん素のままで、私はとりあえず手持ちの簡単な仮装グッズを組み合わせてちょっとだけメイクアップして出かけました。

ところが彼らの仮装っぷりがスゴかった!特にラスのティーンウルフが絶品すぎて、もう写真撮りまくり笑!

 これ全部自分で作ったっていうんだからスゴイよw
 キャリースのハローキティも可愛かったw
 ジェスの恐竜コスチュームもナイス!
 カボチャのつもりが、体型からしてニンジンに見えるアンドリュー  
仮装パーティって、行く前は「まあこんなもんでいいか」と大して気合いも入らないんだけど、実際に行くとみんながすごいので「もうちょっと考えればよかったなあ」といつも思う。思うんだけど、やっぱり毎回なかなかここまではできないのであった。そうそう肝心のホラー映画は、ベン持参の最低映画 (or 最高のカルト映画)「トロル2 悪魔の森」を鑑賞。いやーおもろかったw B級映画好きの方はぜひ。
 ネコのキップも一緒に「トロル」鑑賞
さて、この週末はデンマークからまたMads&Louiseが帰ってきてうちに泊まり、翌金曜は、これまた近所のMontague ArmsにてCharla Fantasmaが出演するプレ・ハロウィーン・イベントへ。そして土曜は、ホワイトチャペルのUrban Barにて友達バンドThe Potentials主催のBuffy The Vampire Slayerテーマのハロウィーンライブ「Slayer Fest」にThe PotentialsYiiikes!Wolf GirlCharla FantasmaSnobとともにPAMsで出演。久しぶりのライブで20分のショートセットだったけど、とっても楽しかったです! The Potentialsがこの夜のまとめビデオを作ってくれました。


そして実はこの日、FlemmingsJezとその友達トムのこれまた毎年恒例のビッグ・バースデー・ハウスパーティがあったので、私たちは途中で抜けてこっちへ移動。そのまま深夜まで飲んだり踊ったりのハイパーなハロウィーン・ウィークエンドでした。
 お誕生日な人たち3
去年も思ったけど、後片付け大変だろうなあ……

こうして10月があっという間に過ぎ去っていきました。気づけばもう11月も終わっちゃって師走に突入してますが……そんなこんなで後半につづく。

■today's disc:Be Nice/On the Run 7"/The Gories
日本に帰った時見つけて買った一枚ですが、これ2014年のリリースなんだけど全然昔と変わってなくて安心というかほんとすごいかっこいいゴーリーズ!


2015年11月29日日曜日

MM騒動とダイエットの2ヵ月

やーやーやーすっかりご無沙汰してしまいました……。
9月に2週間半ばかり日本に帰国して以来、なんだか毎日飛ぶように過ぎていってて、いろんなことが中途半端なまま日々追われています。そして今は、先日パリで起こったあまりにも惨いテロ事件と、それに伴う世界の動向をニュースで見聞きするたびに心がどんよりと沈んでいき、いろんな思いが交錯してますが(中東やアフリカでは連日のようにテロや爆撃が起きている、なぜパリだけ騒ぐのかという意見も見ましたが、やはり同じ欧州の主要都市に住んでいる身としては非常に身近に感じられて衝撃が大きいです)、人生なんて本当にいつ何が起こるかわからない、結局は自分ができること、やりたいことをできる時にできるだけやるしかない、というところに行き着きます。

というわけでずいぶん前まで遡ってしまいますが、まず9月の、1年数ヵ月ぶりの日本、おかげさまでめっちゃ楽しかったです。賞味2週間しか居られなくて、そのうち1週間は仕事もあったし、しかも沖縄旅行を挟んだりもしたので、本当に忙しくてゆっくりする時間が全然なかったけど、行く前に作成していた「日本でやることリスト」「日本で買う物リスト」はだいたい網羅できたのでとりあえず満足です笑。今回は、昨年結婚して渡英して以来、つまり過去10年の不安定な彷徨生活からひとまず脱して以来、初めての帰国だったこともあって、日本にいる時間はぜ〜んぶ純粋に貴重な楽しい時間だったわけで。でもやっぱり少なくとも3週間は欲しかったな〜(ゆっくり自分だけの買い物とかする時間も……)。次回はもうちょっと余裕が持てるといいなあ。何はともあれ年1回は帰国できるよう、頑張ってお金貯めます。今回遊んでくれた、また短い時間でも会うことができた日本の皆様、本当にどうもありがとうございました! また次回を楽しみにしています。今回お会いできなかった方々も、またの機会に会えますように。

沖縄・斎場御嶽からの風景
で、日本から帰ってきてからの、この2ヵ月間は……

●MM騒動
2週間ちょい留守にしていた間に、家が少々野生化していた!! 日本から無事にロンドンに戻ってきて、ほっとひと息ついたのも束の間。翌日キッチンで結構大きいクモとクモの巣を発見。窓(外側ではあったが)にも大きいクモがペッタリ貼り付いてるし。そしてそして夕方、ベンがキッチンでネズミ(以下MM)を目撃……。実は今までにも数回MMが出没したことはあって(でも目撃するのはいつもベンで、私は一度も見たことがなかった)その都度すぐにMM捕りを設置、するとたいてい次の日には罠にかかっているという感じだったので、今回もさっそく設置。その日は夜ライブを見に行く予定があったので、帰宅する頃には罠にかかっているのではと期待していたものの、収穫なし。

そして、先に寝る準備を済ませた私がベッドに横になりながら本を読んでいると、普段、罵り言葉は滅多に使わないベンがいきなり「サノバビッチ!!」と言うのでビックリ(笑)して顔を上げると、「MMがこの部屋にいる!」って……ギャー!! 私たちのベッドルームはロフト部屋で、リビングとキッチンのある下のフロアとつながっていてドアがないので、実質上、行き来自由。どうやら私たちがいない間にベッドルームにまで上がってきていたらしい。その夜は午前3時ぐらいまでこのMMと格闘、私も初めてその姿をこの目で見てしまいました……。しかも今までに出没した数匹は小さい野ネズミのような感じだったらしいが、今回のはもう少し大きくてすばしっこいし、かなり手ごわい(罠にもかからなくて、エサだけ食べられてたりするのだ!)。どうやら経験豊富な賢い大人のMMだったらしい……。

この夜以来しばらく私たちは、私が普段仕事するのに使っているスペアルームで寝泊まりと相成った。そして家中の隙間という隙間を埋め、キッチンはもちろん、押し入れやら何やら、ぜ〜んぶ引っ掻き回して大掃除し、捨てられるものは全て捨てた。一番すごかったのが、めっちゃ広い屋根裏。今まで覗いたこともなかったけど、いやーこれちょっとしたホラーだったよ! ものすごい巨大な蜂の巣のミイラを発見したりとか。ベンなんかまじでビビって奥まで入って行けなかったし笑。好奇心の方が勝る私も、ビニールシートに巻かれた何か長いものが屋根裏の奥に見えたけど、さすがに近寄る勇気はありませんでした(死体じゃないといいけど……笑)。とりあえず二人とも一心不乱でできる限りフラット中を掃除しました。だってそうでもしないと夜もぐっすり眠れないし……半分妄想に取り憑かれたベンが、床に落ちてる毛玉をMMのフンと見間違えて「わあー!この部屋にまでMMが!!」なんてこともあったりとか笑。まだ時差ボケも残っているような状態だったので、翌1週間はほんとにグッタリだった。自宅にいるのにアウェイのような気分。いまだ旅先にいるような不便な生活……。しかしその甲斐あって、以来MMの姿は見ていなかった。でも逆に言うと、まだ家の中に潜んでいるのか、外に出て行ったのかわからず、また、出て行ったのであればどこから出て行ったのか……。とにかく、いなくなったという確証はまだ持てなかったので、かなり不便ではあったけど、しばしスペアルーム生活を続行。

そして数日後、そろそろ元のベッドルームに戻ろうかと話していたある夜、寝ている時に突然「ドタドタドタドターッ」という大きな音がして、二人とも目が覚めた。おそらくMMが屋根裏か壁の間を走っていたんだと思う。私はかつて日本の実家の古い家で、何度か天井裏をMMが走る音を聞いたことがあったのでそれほど驚かなかったけど、ベンは初めて身近にその音を聞いたらしく、かなりビックリしていた。まったくもって油断できないぜ……。そしてこれを機に、プロの業者に頼むことに決めた。彼らはある日、家にやってきて、毒餌を室内と屋根裏に設置した。そして1週間後に再びやって来てチェック。どうやら結構、毒餌が減っていた様子。そしてつい昨日、3回目の訪問で、MMが侵入できそうな穴を塞いでもらった。結果から言うと、フラットが古いこともあって、侵入を100%防ぐのはほぼ不可能に近い。でもできる限りの対策は講じたし、以来、元通りの生活を送れているので、まあしばらくは大丈夫でしょう……(しかしこの話をロンドンの友達にすると、誰も彼も何度か同じような経験をしていて、いろんなアドバイスをもらえました。ロンドンの住宅はMMと共にあり……)。


●ダイエット
9月の帰国で実家に帰った際、母親に開口一番、言われたのが「すごい太った!」。いやあ、ええ、ちょっと太っちゃったなあとは思ってたよ。でもこっちではそれほど太ってるって方でもないので、あまり気にしてなかったんだよね。しかし母親にそう断言され、さらに、日本に置いてあった去年まで普通にはいていたジーンズをはこうとしてきつくて入らなかった時には、さすがにちょっとヤバいと思った。そして決定打は……日本から帰る前に実家の近くの温泉に行って久々に体重を測ってみると……こ、これは本当にヤバい!!(真っ青)今までの人生で一番太っている!! それまで人生最重量だった大学1年の頃の体重よりもさらに3キロ近く重い!!

過去10年の間は、まあお金がなかったりとか心労とかで笑、食べ方とか食べる時間とか何も気にせず好き放題に食べてもあまり太らず、自分はもう太らない体質になったのかもと思っていたが、この1年半ほどで生活が少し落ち着いたのと、どちらかというと甘いものよりしょっぱいもの好きな私としては今までそれほど食べていなかったバターや牛乳や砂糖がたっぷりのケーキやら何やらを、甘いもの好きなベンに釣られて、ついちょこちょこ食べるようになってしまった(そしてもちろん、しょっぱいスナックも今まで通り食べている)こともあるせいか、去年の渡英以来、5〜6キロ太っていたのだ!(ブレイク・ポイントは絶対去年のクリスマスディナー……)さすがにこれは見過ごすわけにはいかん。。。というわけで、ロンドンに戻ってきてすぐ、超久しぶりにダイエットをすることに決めました。

しかしあまりに久しぶりなので全然自信がないし、体力も気合も若い頃ほどない。でもだからこそ、あまり気負わずやるようにしようと心に決め、とりあえずダイエットブログなどを参考にしながら、まずは間食をやめることからスタート。ポテトチップスとか大好きで、今まで食べたい時に食べたいだけ食べてたので、これをやめるだけでも効果ありではないかと思いまして。でも完全にやめるのはちょっとアレなので、週末は適度に食べてオッケーということにした。あと食事も、お腹いっぱいになるまで食べないようにすること。残すのが心苦しいので、いつもいっぱいいっぱい食べてたけど、これって実は体によくないよね。。。そんなわけで、実はダイエット中に一度、日本食のお店でカツカレーを食べたんですが(ダイエット中の人がオーダーするメニューじゃないだろというツッコミはおいといて)、この私がなんと完食しませんでした。残したのは主にご飯だけどね。どっかり盛られたご飯を全部食べるのはほんと危険だからな。

それと、やはり体重をきちんと毎日測ることが大事らしいので、とりあえず体重計をゲットせねばということで、手っ取り早くebayで割安のデジタル体重計(体脂肪とかも測れるやつ)を購入。しかしこの体重計がアテにならない。表示される体重が、測るたびにいつも違うのだ。ほんの数分の間で2〜3キロ違ったりするんだよ? (いつも1回目が最重量で、数分後にもう一度測ると2〜3キロ減っている)変だろーこれ! イギリスは体重計さえも適当なのか!と頭にきたけど、仕方ないので昔ながらのアナログの体重計も購入して測ってみると、デジタル体重計で2回目に測った体重よりさらに少し少ない数値が出る。私はこの数値を信じたいけど、100%確証が持てないので(デジタル体重計はどうやら足の裏の体温を感知しているようで、物を測ることができないのだ)とりあえず毎日どっちの数値も記録することにした。

あとはやっぱり運動ですが……なかなかできないんだよねーこれが。マラソンが苦手なので、せいぜいウォーキング。とは言っても、できる範囲で。あとはひとまず毎朝起きてすぐ腹筋20回。youtubeでヨガ。たまに呼吸法エクササイズ。その程度ですが、全く何もしていなかった時よりは少しマシ(ヨガを30分やるだけでも結構ぜーはーしちゃったりするし)。まあ、できる時にちょっとずつ、ちょっとずつという感じで。

これらいろいろに少し慣れてきたところで、3日間ファスティングに挑戦してみることにした。固形物を口に入れないってやつですね。本格的なファスティングはいろいろ制限があるのかもですが、私はとりあえず市販の野菜ジュースV8と炭酸水をメインに摂り、あとコーヒー、紅茶などのドリンクは自由に摂ることにした。しかしV8は成分的にあんまりよくないという意見をちらほら見たので、後半はオーガニックショップなどでちょっと値段の張る野菜ジュースに変更。1日目は割とすんなりいけて、なんだー私、実は食べなくても大丈夫じゃん!(基本的に家でずっと座って仕事してるから体力も使ってないしね……)今までどんだけ必要以上に食べてたんだろう、と思ったけど、2日目の夕方以降はやっぱりちょっと口淋しく感じ(特にベンが料理している匂いが漂って来ると、うーーーん美味しそう……と少しつらかった)、3日目の夜には頭の中が食べ物のことでいっぱいになっていたけど笑、どうにか無事完遂。

しかし体重がすぐに減ったわけではなかった。うーんこんなもんか……と思ったけど、気長にやるしかない。そんな中、帰国売りでブレンダーを£5でゲットできたので、以来毎朝、果物と野菜のジュースをつくって飲むことにしました。ほうれん草またはケール、人参、いちご、バナナ、りんご、キウイなどの生野菜&果物に、脂肪分が少ないアーモンドミルクと、脂肪分ゼロのヨーグルトを加えてミックス。


仕上がりはいつもグレーっぽい色になってあまりそそらないけど、味はオッケーだし、何よりとってもヘルシー。ジュースにしなければまずケールなんて口にしないし、これだけの量の生野菜や果物を毎日食べるのはムリだもん。



というわけで以来、朝食はこのジュースだけにしました。するとしばらくして少〜しずつ体重が減ってきた。そこで前回からちょうど1ヵ月経った今月アタマに再びファスティングを実行。今回は完全にナチュラル&フレッシュなこの生野菜&果物ジュースを朝と昼に摂取して、夜は野菜オンリー(ケールかほうれん草+人参+トマトに蜂蜜を少し)のジュース。今回は1日だけでもいいかなーと思ったけど、1日乗り越えたら「よしもう1日」、2日乗り越えたら「もう1日いっちゃうか!」と結局3日頑張った。

そしたらですね〜、また順調に体重が落ちて、最近はほぼ元の体重に戻ってきました! 4〜5キロぐらい落ちたかな? しかも、いいことが2つ。実は食べ過ぎが日常化していた時は、膨満感(普通にお腹が空くんだけど、いざ食べ始めると、大して食べてないのにお腹が張っているような不快感がこみ上げてくる)に悩まされてたんだけど、これがまず解消された。さらにこの数ヵ月の間、口角炎を患っていて、サプリとか飲んで少しよくなってもすぐにまた唇の端が切れてしまっていたのですが、このジュースを飲み続けているうちに、口角炎もすっかり治った。やっぱり天然の栄養が一番なんだなーと実感しました。

クリスマスも近づいてきているので(1年あっという間だなあほんとに)、もう少しこのまま、ゆるいペースでダイエットを続けようと思います。しかしちょっと食事制限しただけでこんだけすぐに痩せたってことは、よっぽど不要な脂肪と老廃物が溜まってたんだろうなあ私……。

と、なんだかとても個人的なショボイ話題で申し訳ありませんが、そんな感じの2ヵ月でした。その間、仕事が忙しかったりもしたけど、楽しいイベントもいろいろあったよ〜。というわけで、それらについてはまた次回です。

■today's disc:Let's Ondo Again/大瀧詠一
d/i/s/c/o/sレッドムーン氏にいっぱいコピーしてもらった大瀧詠一のCDを聴いては、日本独特のポップスやロックンロールや歌謡曲の素晴らしさや、ひいてはニッポンの粋を噛み締めています。

2015年9月7日月曜日

ポルファヴォーレ!ポルトガルpart3

3日目の土曜日は、いつもより早起きして市場へ。町外れにある、だだっ広い倉庫のような建物の中に地元の農家や食品業者が屋台を出していて、ジョンとモーリーンは毎週末ここで野菜などを買っているんだとか。食料品の屋台のほか、日用品や各種雑貨、手づくりの服やアクセサリーの屋台まで何でもあり。場所柄、一見閑散とした雰囲気ながら、売られている商品の一つひとつはどれも手づくり感がみなぎっていて温かみがありました。広い建物の中をあっちこっち楽しそうに走り回っている犬や、常連ヅラで歩き回っている犬もいたりして、なんとも微笑ましい。


 市場でのお買い物を済ませた後は、町へ戻ってカフェで朝ご飯。ここで初めてトースティを注文してみました。チーズだけのシンプルなのもいいなあと思ったけれど、お腹が結構すいていたので、ハムやトマト、玉ねぎなども入っているものをオーダー。
見た目通りの味で普通においしかったです
と、オープンエアのカフェでのんびり朝食を食べていると突然、どこからともなくガランガランガラン……とベルのような音色が響いてきた。何だろうと思っていると、モーリーンが「あ、牛が来たわ。ほら、ちょっとそこ行って見てきてごらん」と、目の前にある小川を指差した。立ち上がって見てみると、わあすごい! 牛の一群がゾロゾロと、小川の岸に生えている草を食べにやって来ていて、しかもそれを誘導しているのが3匹の犬なのであった。ガランガランいってたのはカウベルの音色でした。いやこれ、なんとも不思議な光景だったのです。だって田舎とはいえ、街の中だし。しかも人じゃなくて犬が連れてきてるんだから。いや、この犬たちが相当デキる奴らだったんですけど。ちょっと遅れてる牛がいたりすれば、群れに追いつくように、ちゃんとけしかけていて感心しました。ほんの数十秒、動画を撮ったので、よかったら見てみてください。
この後はしばらくこの小さな街をぶらぶらと歩き回りました。町の人で賑わう魚市場やおみやげ屋さんなどを覗いたり、またまた廃墟などを写真に収めたり。

壁の絵が妙に味わい深い廃墟

左側の建物の2階はジャングル化している様子……2階の窓を見てください

こちらもかなり荒れ模様。ちなみにこれらすべて街(といってもすごく小さいけど)の
メインストリートに立っています
午後はベンと2人で家から歩いて10分ぐらいのところにあるMonte Clerigoビーチまで散歩がてら行ってみました。少々曇りがちで風の強い日だったということもあり、快晴だった1日目に車から眺めた景色とはちょっと違って見えたけど、地元の人たちがのんびり日光浴を楽しんでいたりしていい感じでした。

鳥さんがウロウロしていた模様 
とりあえず足だけでも海に、と行ってみたものの、水がめっちゃ冷たくてすぐに戻ってきた
 ビーチを見下ろすようにして立つ家がまた可愛らしかったので、近くまで歩いて見に行ってみました。人が住んでいる気配がない家もあり、売却中なのか、もしくは別荘なのかも。


そのまま高台へと続く道を歩いて行って下を見下ろすと、ビーチが眼下に広がっていて、打ち寄せる波の様子が、まるで絵に描いたかのようでした。
そしてほら、ビーチにも廃墟が。というわけで覗いてみました。シーフードレストランだったようです。
中にまだトイレが残っていました
ひととおり歩き回った後、ビーチサイドのカフェレストランでちょっと遅いランチ。軽くサンドイッチでも食べるつもりが、他の客が食べていたイカがこの間食べたイカとはちょっと違ってまた美味しそうに見えてしまい、結局またイカを注文。いやーでもこれまたアタリだったのでよかったです。何のソースかわからなかったけど(醤油っぽい色だったけど醤油ではなかったと思います)、ビールとよく合うし、付け合わせのチップスもめっちゃ好み。日本人は絶対好きですよこれ。いやー夏ですな〜。


ランチしていたテラス席の脇に鳥さんがやって来たので記念に一枚
そうそう、高台というか崖の上からビーチを見下ろした時に、ビーチの一部が岩礁になっていることに気づき、ランチの後もう一度ビーチに降りて行ってみました。
崖の上に人が立ってるの、見えるかな? 私たちもあそこまで歩いて行ってきたところです


みんな思い思いに岩礁で遊んでいて、子どもの頃を思い出すような感じでした。
水たまりでミニ釣りをしている人たちもいました
海水がきれいなので、ほら、水たまりの中もこんなにクリアに見えちゃいます
ビーチで遊ぶのってやっぱり楽しいなあ。

さて翌日の日曜は、このMonte Clerigoビーチからさらに歩いて15〜20分ぐらいのところにあるAmoreiraというビーチに行ってみました。途中、道を間違えて住宅街に迷いこんでしまったのですが、そこにいた犬が全然やる気ない感じでおもろかった。
だら〜ん
ふわぁ〜 
あっち〜し、ねみ〜し
近くで見ると案外イケメン。昔飼ってた犬にちょっと似てたのであった
やっとビーチへと続く道を見つけ、車道の脇をひたすら歩いていると、海岸沿いの崖の上から釣りをしている人たちがいて、ついつい見入ってしまいました。
だってめっちゃ高い崖の上から釣ってるんだよ? 釣り糸、相当長いですよね
そうこうしているうちにAmoreiraビーチに到着。といっても私たちが歩いてきた道の先は目の前がもう海、しかもラグーンのようになっているので、ビーチに降り立つにはこのラグーンを泳いで渡る以外にないのであった。


とりあえず階段で下の方まで行ってみると、そこからさらに下まで行って海水に足をつけられる浅瀬があったので、試しにちょっと浅瀬に足を入れてみたら、めっちゃめちゃ水が冷たあいいいいい! これ泳げたらすごいわまじで。寒中水泳。

それでもまあ、元気に泳いでいる人はちらほらいるわけですが
というわけで、このビーチは遠くから眺めるだけに留まりましたが、それだけでも案外楽しかったのでした。ビーチサイドのカフェレストランでとりあえず一杯やれたのもよかったし。そうさ、夏はビールがすべてを解決してくれるのさ。

ビーチ脇に停まっていた車。「汚くて上等だぜ!」との文字が埃の上に躍っていました
さて、翌朝早朝の便で帰る予定の私たちにとって、この日は事実上の最終日。夜はまたジョンとモーリーンに連れられて、車で1時間弱ぐらいのところにあるSilvesという街で毎年行われているという「中世祭り」に行くことになりました。これは文字通り中世をテーマにしたフェスティバルで、中世にちなんだパフォーマンスやら食べ物の屋台やらショップやらが出揃う、街を挙げてのお祭りです。街の人たちの多くが中世のコスチュームに身を包んでいて、まあ言ってみれば中世のテーマーパークに来たような感じ。

藁でつくられたベンチがあちらこちらに見られました

すごい急な坂の上に出店しているんだけど、なぜ商品がずり落ちていかないのか不思議でした 
食べ物の屋台もいっぱい。ほとんどが肉!肉!肉!の肉料理。中世だぜ 

ベンはこういう「つくりもの系」がいまひとつ苦手なうえに、食べ物の屋台もほとんど肉料理系でベジタリアンはおろか、魚料理もほとんど見当たらない感じだったので、最初あまり気乗りしない様子だったけど、聖堂の前で行われていたパフォーマンスの楽器隊の演奏(そして踊り子さんのダンス)がとてもよかったので救われてました(笑)。

私はあちこちの屋台で売られているケバブというか串焼きのような食べ物に心を引かれたのですが、英語のメニューがない店が多く、注文の仕方がわからない! それでどうにか英語が少しできる店員さんのいる店で、なんとか理解できた焼豚サンドイッチみたいなのにありついたんだけど、これがすごい素朴というか、ほんとに焼豚とパン、そしてしたたる脂!って感じの野趣溢れるシロモノで、いやーこりゃ参ったねほんと中世ど真ん中!ワイルド!ってな具合で、まあ、平らげましたけれども。
ドラム隊のパフォーマンスやら、いろんな出し物があちこちで開催されてました

お城の前に立つ勇者の像
そうそう、デザートの屋台で見たことのない中世のお菓子(右)が売られていたので試してみました。ふわふわの薄いクレープのような生地の中にカスタードが入っているというもの(名前忘れました)で、見た目は大きいんだけど生地がかなり薄いので、ぺろっと食べてしまいます。左のアーモンドタルトもめっちゃ美味しかった。



というわけで、数時間の疑似中世体験をもって、私たちの今年のポルトガル旅行は幕を閉じたのでありました〜。

実は1日目を除いて天気がいまひとつだったのですが、そうは言ってももちろんイギリスよりは断然いい天気だったし、久しぶりにプールで泳いだりもしたし、イギリスではあまり食べられないものもいろいろ食べられたしで、とても楽しいホリデーでした! 次回はリスボンなどにも立ち寄ってみたいなあ。ジョン、モーリーン、そしてポルトガル、ありがとう!

(ポルファヴォーレ!ポルトガル おわり)

ところで今週から2週間、日本に帰国しまーす! 1年2ヵ月ぶりの日本、忙しくなりそうだけど、とっても楽しみじゃー!!

■today's disc:太陽の彼方/ゴールデンハーフ
乗ってく乗ってく乗ってくよ〜ジャパーン!