11月は、やはり毎年恒例のStatic Shock Weekendからスタート。今年も連日気になるラインナップだったけど、他の予定との兼ね合いもあり、とりあえず木曜と金曜の2日だけ行くことにしました。以前、時々手伝いに行ったり募金ライブをしたりして微力ながらサポートしていたDIY Space for London(DSFL)がついに9月にオープンし、その後、オープンデーやコレクティブ・ミーティングなどで何度か足を運んではいたものの、まだライブは見ていなかったので、私にとっては今回のStatic Shock WeekendがDSFLでの初ライブ鑑賞でした。
2日後の水曜は、Beat Happning、 KレコーズでおなじみのCalvin Johnsonのソロアクトを見にロンドン北西部のキルバーンへ。かつて北ロンドンに住んでいた頃、今はなきLuminaireというヴェニューにライブを見に行くために当時は時々キルバーンに足を運んでいたけれど、この数年はまったくのご無沙汰でした。今回はThe Tin Tabernacleという聞いたこともないヴェニューで、しかも開始時間が早く、前座も1つだけ。で、ヴェニューはその名のとおり、トタンで覆われた古いチャペル。1863年に建てられたそうで、英国の重要建造物リストのグレードⅡに登録されているという代物。北ロンドンのSea Cadets(海洋少年団)の本拠地でもあるらしく、建物内には関連品があちこちに置かれている。「子どもの頃に通った場所を思い出すような……建物の中の匂いも懐かしい感じ」とベン。日本でいうと、かつて別の用途で使われていた建物を公民館とか児童館として利用しているような感じの場所かと。バーはないので、代わりに主催のUpset the Rhythmの人たちが、瓶ビールとワインを用意しておいてくれてたのも、雰囲気に合っていてよかったです。
そうこうしているうちにあっという間に12月……あれやこれやとほんとに多忙でした。で、見に行ったのは、The Nation of UlyssesやChain and The Gangで知られるIan Svenoniusのソロアクト。チケットがすぐ売り切れになって、もう1日追加されるほどの人気ぶりだったのも驚きでしたが、ベンが大ファンなのでチケットをソッコー取っており、1日目に見に行きました。いやーしかしこれ楽しかったわ。前座のOlivia Newtron-john のインパクトもすごかったけど(あのダンスは本当に必要なのか疑問だがw)Ianのオーディエンスを巻き込む濃ゆいソロがたまらずよかった。ベンは、ライブが始まる前に物販テーブルに彼の著書があるのを見つけてすぐに購入。ちょうどサウンドチェックを終えた彼がバーエリアをうろうろしていて、とてもフレンドリーな雰囲気でニコニコしていたので(彼の形相からするとニコニコというよりニタニタという感じだけどw)せっかくだから話しかけてサインしてもらえば!? と言ったんだけど「尊敬している人に話しかけるのは苦手だからいい」と言って、最後まで結局話しかけず……w
続いてイースト・ロンドンはHackney Wickのしんとした住宅街を越えたところにポツンとあるヴェニュー、Old Bathsに見に行ったのがThe Space Lady。彼女については時々名前を見かけていただけであまりよく知らなかったのですが、ベンがファンで、前回のライブを見逃したので今回はぜひとのことだったので、レコードを聴かせてもらうと、すごくよかった。というわけで私も行くことにしました。
しかし翌週またそのDalstonへ、Cafe
OtoにSun Ra Arkestraのマチネショーを見に行きました。週末にしばしば地下鉄が工事で止まるロンドンだっていうのに、交通情報をチェックせずに出かけてしまって、案の定すんなり行くことができずハラハラしたけど、どうにか間に合ってよかった。それにしても91歳のマーシャル・アレン氏をはじめ、みなさんの自由度の高さといったらもう他に類を見ず、しかしこれが絶妙に調和しちゃってるんだからすごいのでした。
ショーは途中休憩を挟んだ2部構成だったんだけど、何のアナウンスもなく1部を終了したので、これで帰っちゃった人もいたんじゃないかしら笑。最後はメンバーが会場のあちこちに散らばり、時にはマーチのような形態で(なんとなくサファリを行進するゾウを思い出した)、時には一人で、といった感じで思い思いに自分の楽器をかき鳴らし、会場がものすごい自由な空間になってました。最近のロンドンのDIYバンドの録音を一手に引き受けているイースト・ロンドンのスタジオSoundSaversのマークが、ちょうどこのショーのサウンドを担当していたんだけど、後で話を聞いたら「いやー彼ら本当にすごいけど、サウンドチェックは一切しないし、ちょっとアタマおかしいって笑!
サウンド担当は1回のライブで懲りた笑」と言ってた。何はともあれ、見に行ってほんとよかった。夜は、1974年のSun Raの映画「Space is the Place」を家で堪能しました。