3日目の土曜日は、いつもより早起きして市場へ。町外れにある、だだっ広い倉庫のような建物の中に地元の農家や食品業者が屋台を出していて、ジョンとモーリーンは毎週末ここで野菜などを買っているんだとか。食料品の屋台のほか、日用品や各種雑貨、手づくりの服やアクセサリーの屋台まで何でもあり。場所柄、一見閑散とした雰囲気ながら、売られている商品の一つひとつはどれも手づくり感がみなぎっていて温かみがありました。広い建物の中をあっちこっち楽しそうに走り回っている犬や、常連ヅラで歩き回っている犬もいたりして、なんとも微笑ましい。
市場でのお買い物を済ませた後は、町へ戻ってカフェで朝ご飯。ここで初めてトースティを注文してみました。チーズだけのシンプルなのもいいなあと思ったけれど、お腹が結構すいていたので、ハムやトマト、玉ねぎなども入っているものをオーダー。
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見た目通りの味で普通においしかったです |
と、オープンエアのカフェでのんびり朝食を食べていると突然、どこからともなくガランガランガラン……とベルのような音色が響いてきた。何だろうと思っていると、モーリーンが「あ、牛が来たわ。ほら、ちょっとそこ行って見てきてごらん」と、目の前にある小川を指差した。立ち上がって見てみると、わあすごい! 牛の一群がゾロゾロと、小川の岸に生えている草を食べにやって来ていて、しかもそれを誘導しているのが3匹の犬なのであった。ガランガランいってたのはカウベルの音色でした。いやこれ、なんとも不思議な光景だったのです。だって田舎とはいえ、街の中だし。しかも人じゃなくて犬が連れてきてるんだから。いや、この犬たちが相当デキる奴らだったんですけど。ちょっと遅れてる牛がいたりすれば、群れに追いつくように、ちゃんとけしかけていて感心しました。ほんの数十秒、動画を撮ったので、よかったら見てみてください。
この後はしばらくこの小さな街をぶらぶらと歩き回りました。町の人で賑わう魚市場やおみやげ屋さんなどを覗いたり、またまた廃墟などを写真に収めたり。
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壁の絵が妙に味わい深い廃墟 |
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左側の建物の2階はジャングル化している様子……2階の窓を見てください |
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こちらもかなり荒れ模様。ちなみにこれらすべて街(といってもすごく小さいけど)の
メインストリートに立っています |
午後はベンと2人で家から歩いて10分ぐらいのところにあるMonte Clerigoビーチまで散歩がてら行ってみました。少々曇りがちで風の強い日だったということもあり、快晴だった1日目に車から眺めた景色とはちょっと違って見えたけど、地元の人たちがのんびり日光浴を楽しんでいたりしていい感じでした。
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鳥さんがウロウロしていた模様 |
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とりあえず足だけでも海に、と行ってみたものの、水がめっちゃ冷たくてすぐに戻ってきた |
ビーチを見下ろすようにして立つ家がまた可愛らしかったので、近くまで歩いて見に行ってみました。人が住んでいる気配がない家もあり、売却中なのか、もしくは別荘なのかも。
そのまま高台へと続く道を歩いて行って下を見下ろすと、ビーチが眼下に広がっていて、打ち寄せる波の様子が、まるで絵に描いたかのようでした。
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そしてほら、ビーチにも廃墟が。というわけで覗いてみました。シーフードレストランだったようです。
中にまだトイレが残っていました |
ひととおり歩き回った後、ビーチサイドのカフェレストランでちょっと遅いランチ。軽くサンドイッチでも食べるつもりが、他の客が食べていたイカがこの間食べたイカとはちょっと違ってまた美味しそうに見えてしまい、結局またイカを注文。いやーでもこれまたアタリだったのでよかったです。何のソースかわからなかったけど(醤油っぽい色だったけど醤油ではなかったと思います)、ビールとよく合うし、付け合わせのチップスもめっちゃ好み。日本人は絶対好きですよこれ。いやー夏ですな〜。
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ランチしていたテラス席の脇に鳥さんがやって来たので記念に一枚 |
そうそう、高台というか崖の上からビーチを見下ろした時に、ビーチの一部が岩礁になっていることに気づき、ランチの後もう一度ビーチに降りて行ってみました。
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崖の上に人が立ってるの、見えるかな? 私たちもあそこまで歩いて行ってきたところです |
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みんな思い思いに岩礁で遊んでいて、子どもの頃を思い出すような感じでした。
水たまりでミニ釣りをしている人たちもいました |
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海水がきれいなので、ほら、水たまりの中もこんなにクリアに見えちゃいます |
ビーチで遊ぶのってやっぱり楽しいなあ。
さて翌日の日曜は、このMonte Clerigoビーチからさらに歩いて15〜20分ぐらいのところにあるAmoreiraというビーチに行ってみました。途中、道を間違えて住宅街に迷いこんでしまったのですが、そこにいた犬が全然やる気ない感じでおもろかった。
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だら〜ん |
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ふわぁ〜 |
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あっち〜し、ねみ〜し |
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近くで見ると案外イケメン。昔飼ってた犬にちょっと似てたのであった |
やっとビーチへと続く道を見つけ、車道の脇をひたすら歩いていると、海岸沿いの崖の上から釣りをしている人たちがいて、ついつい見入ってしまいました。
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だってめっちゃ高い崖の上から釣ってるんだよ? 釣り糸、相当長いですよね |
そうこうしているうちにAmoreiraビーチに到着。といっても私たちが歩いてきた道の先は目の前がもう海、しかもラグーンのようになっているので、ビーチに降り立つにはこのラグーンを泳いで渡る以外にないのであった。
とりあえず階段で下の方まで行ってみると、そこからさらに下まで行って海水に足をつけられる浅瀬があったので、試しにちょっと浅瀬に足を入れてみたら、めっちゃめちゃ水が冷たあいいいいい! これ泳げたらすごいわまじで。寒中水泳。
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それでもまあ、元気に泳いでいる人はちらほらいるわけですが |
というわけで、このビーチは遠くから眺めるだけに留まりましたが、それだけでも案外楽しかったのでした。ビーチサイドのカフェレストランでとりあえず一杯やれたのもよかったし。そうさ、夏はビールがすべてを解決してくれるのさ。
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ビーチ脇に停まっていた車。「汚くて上等だぜ!」との文字が埃の上に躍っていました |
さて、翌朝早朝の便で帰る予定の私たちにとって、この日は事実上の最終日。夜はまたジョンとモーリーンに連れられて、車で1時間弱ぐらいのところにあるSilvesという街で毎年行われているという「中世祭り」に行くことになりました。これは文字通り中世をテーマにしたフェスティバルで、中世にちなんだパフォーマンスやら食べ物の屋台やらショップやらが出揃う、街を挙げてのお祭りです。街の人たちの多くが中世のコスチュームに身を包んでいて、まあ言ってみれば中世のテーマーパークに来たような感じ。
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藁でつくられたベンチがあちらこちらに見られました |
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すごい急な坂の上に出店しているんだけど、なぜ商品がずり落ちていかないのか不思議でした |
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食べ物の屋台もいっぱい。ほとんどが肉!肉!肉!の肉料理。中世だぜ |
ベンはこういう「つくりもの系」がいまひとつ苦手なうえに、食べ物の屋台もほとんど肉料理系でベジタリアンはおろか、魚料理もほとんど見当たらない感じだったので、最初あまり気乗りしない様子だったけど、聖堂の前で行われていたパフォーマンスの楽器隊の演奏(そして踊り子さんのダンス)がとてもよかったので救われてました(笑)。
私はあちこちの屋台で売られているケバブというか串焼きのような食べ物に心を引かれたのですが、英語のメニューがない店が多く、注文の仕方がわからない! それでどうにか英語が少しできる店員さんのいる店で、なんとか理解できた焼豚サンドイッチみたいなのにありついたんだけど、これがすごい素朴というか、ほんとに焼豚とパン、そしてしたたる脂!って感じの野趣溢れるシロモノで、いやーこりゃ参ったねほんと中世ど真ん中!ワイルド!ってな具合で、まあ、平らげましたけれども。
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ドラム隊のパフォーマンスやら、いろんな出し物があちこちで開催されてました |
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お城の前に立つ勇者の像 |
そうそう、デザートの屋台で見たことのない中世のお菓子(右)が売られていたので試してみました。ふわふわの薄いクレープのような生地の中にカスタードが入っているというもの(名前忘れました)で、見た目は大きいんだけど生地がかなり薄いので、ぺろっと食べてしまいます。左のアーモンドタルトもめっちゃ美味しかった。
というわけで、数時間の疑似中世体験をもって、私たちの今年のポルトガル旅行は幕を閉じたのでありました〜。
実は1日目を除いて天気がいまひとつだったのですが、そうは言ってももちろんイギリスよりは断然いい天気だったし、久しぶりにプールで泳いだりもしたし、イギリスではあまり食べられないものもいろいろ食べられたしで、とても楽しいホリデーでした! 次回はリスボンなどにも立ち寄ってみたいなあ。ジョン、モーリーン、そしてポルトガル、ありがとう!
(ポルファヴォーレ!ポルトガル おわり)
ところで今週から2週間、日本に帰国しまーす! 1年2ヵ月ぶりの日本、忙しくなりそうだけど、とっても楽しみじゃー!!
■today's disc:太陽の彼方/ゴールデンハーフ
乗ってく乗ってく乗ってくよ〜ジャパーン!