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2015年9月7日月曜日

ポルファヴォーレ!ポルトガルpart3

3日目の土曜日は、いつもより早起きして市場へ。町外れにある、だだっ広い倉庫のような建物の中に地元の農家や食品業者が屋台を出していて、ジョンとモーリーンは毎週末ここで野菜などを買っているんだとか。食料品の屋台のほか、日用品や各種雑貨、手づくりの服やアクセサリーの屋台まで何でもあり。場所柄、一見閑散とした雰囲気ながら、売られている商品の一つひとつはどれも手づくり感がみなぎっていて温かみがありました。広い建物の中をあっちこっち楽しそうに走り回っている犬や、常連ヅラで歩き回っている犬もいたりして、なんとも微笑ましい。


 市場でのお買い物を済ませた後は、町へ戻ってカフェで朝ご飯。ここで初めてトースティを注文してみました。チーズだけのシンプルなのもいいなあと思ったけれど、お腹が結構すいていたので、ハムやトマト、玉ねぎなども入っているものをオーダー。
見た目通りの味で普通においしかったです
と、オープンエアのカフェでのんびり朝食を食べていると突然、どこからともなくガランガランガラン……とベルのような音色が響いてきた。何だろうと思っていると、モーリーンが「あ、牛が来たわ。ほら、ちょっとそこ行って見てきてごらん」と、目の前にある小川を指差した。立ち上がって見てみると、わあすごい! 牛の一群がゾロゾロと、小川の岸に生えている草を食べにやって来ていて、しかもそれを誘導しているのが3匹の犬なのであった。ガランガランいってたのはカウベルの音色でした。いやこれ、なんとも不思議な光景だったのです。だって田舎とはいえ、街の中だし。しかも人じゃなくて犬が連れてきてるんだから。いや、この犬たちが相当デキる奴らだったんですけど。ちょっと遅れてる牛がいたりすれば、群れに追いつくように、ちゃんとけしかけていて感心しました。ほんの数十秒、動画を撮ったので、よかったら見てみてください。
この後はしばらくこの小さな街をぶらぶらと歩き回りました。町の人で賑わう魚市場やおみやげ屋さんなどを覗いたり、またまた廃墟などを写真に収めたり。

壁の絵が妙に味わい深い廃墟

左側の建物の2階はジャングル化している様子……2階の窓を見てください

こちらもかなり荒れ模様。ちなみにこれらすべて街(といってもすごく小さいけど)の
メインストリートに立っています
午後はベンと2人で家から歩いて10分ぐらいのところにあるMonte Clerigoビーチまで散歩がてら行ってみました。少々曇りがちで風の強い日だったということもあり、快晴だった1日目に車から眺めた景色とはちょっと違って見えたけど、地元の人たちがのんびり日光浴を楽しんでいたりしていい感じでした。

鳥さんがウロウロしていた模様 
とりあえず足だけでも海に、と行ってみたものの、水がめっちゃ冷たくてすぐに戻ってきた
 ビーチを見下ろすようにして立つ家がまた可愛らしかったので、近くまで歩いて見に行ってみました。人が住んでいる気配がない家もあり、売却中なのか、もしくは別荘なのかも。


そのまま高台へと続く道を歩いて行って下を見下ろすと、ビーチが眼下に広がっていて、打ち寄せる波の様子が、まるで絵に描いたかのようでした。
そしてほら、ビーチにも廃墟が。というわけで覗いてみました。シーフードレストランだったようです。
中にまだトイレが残っていました
ひととおり歩き回った後、ビーチサイドのカフェレストランでちょっと遅いランチ。軽くサンドイッチでも食べるつもりが、他の客が食べていたイカがこの間食べたイカとはちょっと違ってまた美味しそうに見えてしまい、結局またイカを注文。いやーでもこれまたアタリだったのでよかったです。何のソースかわからなかったけど(醤油っぽい色だったけど醤油ではなかったと思います)、ビールとよく合うし、付け合わせのチップスもめっちゃ好み。日本人は絶対好きですよこれ。いやー夏ですな〜。


ランチしていたテラス席の脇に鳥さんがやって来たので記念に一枚
そうそう、高台というか崖の上からビーチを見下ろした時に、ビーチの一部が岩礁になっていることに気づき、ランチの後もう一度ビーチに降りて行ってみました。
崖の上に人が立ってるの、見えるかな? 私たちもあそこまで歩いて行ってきたところです


みんな思い思いに岩礁で遊んでいて、子どもの頃を思い出すような感じでした。
水たまりでミニ釣りをしている人たちもいました
海水がきれいなので、ほら、水たまりの中もこんなにクリアに見えちゃいます
ビーチで遊ぶのってやっぱり楽しいなあ。

さて翌日の日曜は、このMonte Clerigoビーチからさらに歩いて15〜20分ぐらいのところにあるAmoreiraというビーチに行ってみました。途中、道を間違えて住宅街に迷いこんでしまったのですが、そこにいた犬が全然やる気ない感じでおもろかった。
だら〜ん
ふわぁ〜 
あっち〜し、ねみ〜し
近くで見ると案外イケメン。昔飼ってた犬にちょっと似てたのであった
やっとビーチへと続く道を見つけ、車道の脇をひたすら歩いていると、海岸沿いの崖の上から釣りをしている人たちがいて、ついつい見入ってしまいました。
だってめっちゃ高い崖の上から釣ってるんだよ? 釣り糸、相当長いですよね
そうこうしているうちにAmoreiraビーチに到着。といっても私たちが歩いてきた道の先は目の前がもう海、しかもラグーンのようになっているので、ビーチに降り立つにはこのラグーンを泳いで渡る以外にないのであった。


とりあえず階段で下の方まで行ってみると、そこからさらに下まで行って海水に足をつけられる浅瀬があったので、試しにちょっと浅瀬に足を入れてみたら、めっちゃめちゃ水が冷たあいいいいい! これ泳げたらすごいわまじで。寒中水泳。

それでもまあ、元気に泳いでいる人はちらほらいるわけですが
というわけで、このビーチは遠くから眺めるだけに留まりましたが、それだけでも案外楽しかったのでした。ビーチサイドのカフェレストランでとりあえず一杯やれたのもよかったし。そうさ、夏はビールがすべてを解決してくれるのさ。

ビーチ脇に停まっていた車。「汚くて上等だぜ!」との文字が埃の上に躍っていました
さて、翌朝早朝の便で帰る予定の私たちにとって、この日は事実上の最終日。夜はまたジョンとモーリーンに連れられて、車で1時間弱ぐらいのところにあるSilvesという街で毎年行われているという「中世祭り」に行くことになりました。これは文字通り中世をテーマにしたフェスティバルで、中世にちなんだパフォーマンスやら食べ物の屋台やらショップやらが出揃う、街を挙げてのお祭りです。街の人たちの多くが中世のコスチュームに身を包んでいて、まあ言ってみれば中世のテーマーパークに来たような感じ。

藁でつくられたベンチがあちらこちらに見られました

すごい急な坂の上に出店しているんだけど、なぜ商品がずり落ちていかないのか不思議でした 
食べ物の屋台もいっぱい。ほとんどが肉!肉!肉!の肉料理。中世だぜ 

ベンはこういう「つくりもの系」がいまひとつ苦手なうえに、食べ物の屋台もほとんど肉料理系でベジタリアンはおろか、魚料理もほとんど見当たらない感じだったので、最初あまり気乗りしない様子だったけど、聖堂の前で行われていたパフォーマンスの楽器隊の演奏(そして踊り子さんのダンス)がとてもよかったので救われてました(笑)。

私はあちこちの屋台で売られているケバブというか串焼きのような食べ物に心を引かれたのですが、英語のメニューがない店が多く、注文の仕方がわからない! それでどうにか英語が少しできる店員さんのいる店で、なんとか理解できた焼豚サンドイッチみたいなのにありついたんだけど、これがすごい素朴というか、ほんとに焼豚とパン、そしてしたたる脂!って感じの野趣溢れるシロモノで、いやーこりゃ参ったねほんと中世ど真ん中!ワイルド!ってな具合で、まあ、平らげましたけれども。
ドラム隊のパフォーマンスやら、いろんな出し物があちこちで開催されてました

お城の前に立つ勇者の像
そうそう、デザートの屋台で見たことのない中世のお菓子(右)が売られていたので試してみました。ふわふわの薄いクレープのような生地の中にカスタードが入っているというもの(名前忘れました)で、見た目は大きいんだけど生地がかなり薄いので、ぺろっと食べてしまいます。左のアーモンドタルトもめっちゃ美味しかった。



というわけで、数時間の疑似中世体験をもって、私たちの今年のポルトガル旅行は幕を閉じたのでありました〜。

実は1日目を除いて天気がいまひとつだったのですが、そうは言ってももちろんイギリスよりは断然いい天気だったし、久しぶりにプールで泳いだりもしたし、イギリスではあまり食べられないものもいろいろ食べられたしで、とても楽しいホリデーでした! 次回はリスボンなどにも立ち寄ってみたいなあ。ジョン、モーリーン、そしてポルトガル、ありがとう!

(ポルファヴォーレ!ポルトガル おわり)

ところで今週から2週間、日本に帰国しまーす! 1年2ヵ月ぶりの日本、忙しくなりそうだけど、とっても楽しみじゃー!!

■today's disc:太陽の彼方/ゴールデンハーフ
乗ってく乗ってく乗ってくよ〜ジャパーン!

2015年9月1日火曜日

ポルファヴォーレ! ポルトガル part2

ポルトガルはFaroの2日目は、Algarve州のMonchiqueという山に車で連れて行ってもらいました。田舎の山道をドライブして行くので、車の中から見える風景がまた素敵。イギリスや日本ではあまり見ないタイプの木々や植物が目に飛び込んできて新鮮でした。概して赤みを帯びた土の茶色と深い緑が延々続いているイメージ。あと木に葉っぱがあまり生い茂っていなくて、枝と枝の合間に隙間が多く、全体的にもこもこした印象で、暑い国の風景だなあという感じ。

途中でCaldas de Monchiqueという、ローマ時代にスパリゾートだったという町に立ち寄りました。かつて人々が心身を癒しにきた場所だというのがうなずけるような、小さくて落ち着いた雰囲気の町。とりあえず町の入口に車を停めたところで、さっそく廃墟を発見。どうやらかつてはホテルとして営業していた建物だった様子。
何はともあれ覗いておきます

ビルダー風のおじちゃんたちが、一列に並んで和やかに休憩してました
エリア内にはいくつかのレストランやカフェのほか、地元の作家さんたちの作品を展示販売している小さなギャラリーなんかもあって、なんというか、雰囲気的には軽井沢の一角みたいな感じでしょうか。少し歩いたところに小さな森林公園があったので、足を踏み入れてみると、ところどころに軽い体操を促す看板が。
要は公園内を散歩しながら、要所要所で軽く体操しましょうっていう。いかにも保養地。
せっかくなので看板を見つけるたびに、表示されている体操を行いました笑
そしてまたまた廃墟。ちなみにポルトガルでは、それほど古くないのに廃墟状態になっている建物とか、建設途中に何らかの理由(主に経済的な理由)で作業が中断されてそのままになっている新築の家屋やマンションもいくつか見ました。ジョンいわく、経費が足りないので物件が売れるまで待っていることが多いんだとか。
こちらの廃墟はかなり中が荒れていました
界隈にある静かなレストランで軽くランチすることに。店の奥に隠れ家的なテラスがあって、落ち着けました。私はポークサンド(ポルトガルのカフェではToastieと並んでよく見るメニューっぽかたけど、ポルトガル語での名前を忘れてしまいました)を注文。
おいしいパンにポークソテーが挟んであるシンプルなサンドイッチ。
豚の生姜焼きとかの味に慣れている日本人の私としては、ソースにもう少し味が欲しかったかなー
そういえばこのレストランのトイレに入った時に、英語で「紙はトイレに流さないでください」と書いてあり、その時は日本でもよくあるような「トイレットペーパー以外のものは流さないでください」的な警告かと思ってあまり気に留めなかったんだけど、その後しばらくしてふと、あの「紙」って普通にトイレットペーパーのことだったのかも!と気づいた。というのも、昔ロンドンの語学学校に通っていた頃、トイレの床に使用済みのトイレットペーパーがたくさん落ちていることがあって、何なんだろうと思っていたら「どこかの国では紙をトイレに流さない習慣らしく、でもゴミ箱がないから床に捨ててたらしい」という話を聞いたことを思い出したのだ。おそらく排水事情があまりよくなくて、トイレットペーパーでさえもよく詰まってしまうのだろう。今回、普通に紙をトイレに流してしまっても何事もなかったので、流した途端にトイレが壊れるということは滅多にないんだろうとは思うけど、観光客が多く利用するような場所だとトイレが使用される頻度も高いだろうから、保証もできないんでしょうね。

そして次に入ったトイレでも、同じように「紙は流さないで」との表示があったので、念のためおそるおそるゴミ箱の中をちらっと覗いてみると、やはり使用済みらしいトイレットペーパーがたくさん捨ててあった。以降は表示がなくてもゴミ箱が備えてある場合はそちらに捨てるようにしたんだけど、使用済みの紙は当然のごとくトイレに流す習慣がついているので、ちょっと気を抜くと便器に思わずポイッと落としてしまうんですな。便器に落としてしまったら、やはり流すしかないわけで……。まあ一度もトイレを溢れさせるようなことはなかったので、よかったけど。この件について滞在中にジョンにもモーリーンにも聞く機会がなかったんだけど、もしかしたら彼らも気づいていないかもしれない。私も語学学校での一件がなければ、きっと想像もつかなかったような気がするし。

なんかアレな話になってしまってアレですが、話を元に戻しまして。ランチを済ませて外に出ると、道沿いに誰かがつくった「野良猫のおうち」を発見。可愛い……。
穴の中を覗くと、猫はいなかったけどエサ箱が置いてありました
ひととおり界隈を歩き回った後、再び車に乗り込み、いよいよMonchiqueの山へ向かいました。急勾配の山道を車でどんどん上がっていき、それまで窓から見上げていた丘陵や木々が徐々に下の方へ、下の方へと見えてゆくのが実感できる。しばらくして、標高約900mの山頂に到着(そうそうポルトガルはメートル法なので、日本人の私にはわかりやすくてありがたい)。あいにく曇り空で少々霞みがかっているものの、天然の展望台のようになっている大きな岩のてっぺんまで登って、遥か彼方まで広がる景色を一望。


望遠鏡を使って眺めると、かなり遠くの街の高層ビル群まで見ることができました

めっちゃかわいー犬がいて、かなりアガりました。見てこの笑顔!
こやつも可愛かった。オーナーいわく、かつてはウォータードッグとして
漁の手伝いをしたりしていたらしい。賢い犬なのだね〜
車でおうちまで戻ってひと息つくと、あっという間に夕飯の時間。今夜は界隈でもおすすめの一軒という海辺の魚介料理店へ連れて行ってもらいました。お店に着く頃には日もだいぶ落ちてきて、海辺がぼおっとした光を放っていて、とてもきれいでした。

そうこうしている間に、空がだんだんピンクに染まってきて……
この通りすごい色に!! これまじで加工してませんからね
さてこちらのお店、O Pauloは、さすが魚介料理店とあって、ガラガラと引き戸を開けて店内に入ると、目の前に大きな生け簀がどーん。
ロブスターに釘付けの子どもたち
このなんかフジツボ?のような貝みたいなのも食用らしいんですけど……
金曜とあって店内はかなり混雑、サービスが追いついてない感じで、かなり待たされる。繁忙期の7、8月はいつもこんな感じらしいけれど、ご飯が来るまでに1時間以上待ったかなあ……。まあ、お喋りしながらオリーブやらをつまんだり、夕陽を眺めたりしているうちにあっという間に時間は経ってしまいましたが。私は今度ばかりは魚にしてみようかと思ったけど、やはり心惹かれて仕方なかったタコを注文。で、出てきたのがこちら。
ぶっといタコの足の煮込み、さつまいも添え
味は昨日のイカと似ていて、ガーリックが強めのソース。結構やわらかく煮てあったので、もう少しプリッとしてる方が好みかな〜と思ったけど、なんだかんだ言いつつ美味しくいただきました。付け合わせのさつまいもも、とっても美味しかった。今回もきれいに平らげましたが、かなり満腹になりました。ごちそうさまでした。

そういえば、ポルトガル料理には結構お米も使われてるのかなと思い、お米料理を食べるのをちょっと楽しみにしていたんだけど、結局、滞在中に食べる機会はありませんでした。リゾットのような料理がメニューにあったのを何度か見たけど、2人以上じゃないと注文できなかったりとかしていて。リスボンとかの都会だったら、カフェとかに一人前のメニューとかありそうな気もするけど、どうなんだろう? なんにせよ、こちらでは(少なくともイギリス人は)シェアするという感覚が基本的にないし、一品のボリュームがそれなりにあるので、なかなか冒険できないのが残念です。

というわけで、本日もあれこれいろいろ楽しませていただきました!

(part3につづく)