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2015年12月31日木曜日

バイバイ2015

2015年もいよいよ終わり。日本はもう明けましたね。おめでとうございます。

クリスマス直前からウェールズに来て、あっという間に1週間。昨年は天気に恵まれて、滞在中あちこちウォーキングに出かけたりしたけど、今年はずーっと雨、暴風雨続きでほとんどどこにも行けてません。英国北部は深刻な洪水被害に見舞われていて、それどころではない騒ぎですが……。でも先ほどほんの数時間だけパアッと晴れたので、久々に近所をぶらぶら歩いてきました。曇り空だととても寒々しいカントリーサイドの風景も、日射しを浴びると途端にきらきら輝いて見えるのがすごい。
風が強くてちょっと寒いけど気持ちいい


今年のクリスマスも、昨年と同様にクリス、ベン、ポール、私の4人で過ごしました。今年はさすがに料理しないわけにはいかないかも……と内心ひやひやしていたのですが(笑)、メインの料理は昨年同様クリスが担当し、ターキーは丸焼きじゃなくて胸肉のローストにサイズダウンしました。私たちは野菜などを手伝い、また肉を食べないベンは、クリスのアイデアで、サーモンのクルートを作りました。

サーモンの切り身(巨大)の間にほうれん草とパプリカを挟み……
パイ生地で包みます
気持ち、クリスマスの飾りを
オーブンで焼いてできあがり
クリスマスの食卓
スモークサーモンの前菜
相変わらずとても美味しかったローストディナー
デザートにはクリスマス・プディングをいただきました
今年は去年の教訓からなるべく食べ過ぎないように気をつけて、ローストディナーも取り分を少なめにするように心がけました。おかげで死ぬほど満腹になるようなことにはならず、目安のために持参したキツめのジーンズのファスナーもまだちゃんと閉まります(笑)。それにしてもクリスは本当に器用で、改めて感心してしまいます。彼の手づくりのミンスパイも、相変わらずとても美味しいのでした。

お菓子といえば、おなじみホワイトさんちのベーカリーのジャムドーナツを今回初めていただいたのですが、とても美味しかった! 昔ながらのジャムドーナツ、絶品です。

おなじみのホワイトさんのパン屋さん
クリスマス翌日のボクシングデーは、昨年同様、ベンのお父さん方の親戚の毎年恒例の集まりへ。みなさん相変わらず朗らかで、和やかなひとときを過ごしました。

マギーおばさんの犬アルフィーも相変わらず元気いっぱい
めっちゃ舐められて、この日はしばらく「犬の匂いがする」と言われてました
そしてその翌日はベンのおじさんのファミリー宅へ。前にも紹介したことのある、犬が3匹いる家ですが、な、なんと今回1匹増えて4匹になってました!! きゃーっ♥

この子が新入り、生後6ヵ月のコスタ
この通りの可愛さ♥
犬の綱引き、かなりワイルドで興奮し始めるともう大変です
そうそう、ベンの実家にもいちおうネコが2匹いるのですが、もともと彼らは野生のネコで(今も半野生)、この家に出入りするようになり、住人に懐くようになるまで5年ぐらいかかったそうで、私はもちろん、ベンにもあまり近寄ってこない。ここに住んでいるクリスとポールにはもうかなり慣れているので撫でることもできるけど、私たちに対しては、足音が聞こえるだけでさーっと逃げてしまったり、クリスとポール以外の人がいる部屋には入ってこなかったりする。ところがここ数年の間に何度か足を運んでいたせいか、今回の滞在中、私が傍を通りかかっても逃げなくなった。まだ半径1m以内には近寄れないけど、かなりの進歩です。そのうちナデナデできる日が来るかしら!?
この日は写真まで撮らせてくれましたよ!
というわけで以上、今年のクリスマス&動物ダイジェストでした。2015年はこちらウェールズで年越しです。そろそろ今年最後の夕飯の準備……英国では特に大晦日の料理とかないので(お正月とかないし)、日本の年越しそば的な感じでヌードル、でもそばじゃなくて麻婆ラーメンです(笑)。

2016年が、みなさんにとって実りある素敵な一年になりますように!
ハッピーニューイヤー!

2015年12月30日水曜日

イベントの秋(冬)・後半

秋どころかもう年末になってしまいましたが、乗りかかった船、書きかけたブログ、というわけで「イベントの秋・前半」に続く後半です。

11月は、やはり毎年恒例のStatic Shock Weekendからスタート。今年も連日気になるラインナップだったけど、他の予定との兼ね合いもあり、とりあえず木曜と金曜の2日だけ行くことにしました。以前、時々手伝いに行ったり募金ライブをしたりして微力ながらサポートしていたDIY Space for London(DSFL)がついに9月にオープンし、その後、オープンデーやコレクティブ・ミーティングなどで何度か足を運んではいたものの、まだライブは見ていなかったので、私にとっては今回のStatic Shock WeekendがDSFLでの初ライブ鑑賞でした。

DSFL自体、Static Shock Records周辺の人たちも多く関わっているだけあって、ウィークエンダー初日の木曜にしてソールドアウトの大盛況ぶり。そうそう、ここにはTome Recordsというレコード屋も併設されていて(聞くところによればかつてFlashback Recordsで働いていたらしい、Primitive Partsのメンバーの一人がやっているお店)、ここがまた小さいながらも新旧入り交じりのグッド・セレクション(ランダムではなくて選んでるな〜というのがわかるセレクション)なうえに、料金設定もとてもリーズナブルで良心的なので、行くたびについ立ち寄っては買物をしてしまうんですな。委託もOKで、私も日本から持ち帰ってきたThe DeathとLIPUPSのスプリットテープを持ち込んでみたところあっさり承諾してくれて、しかも仲介料とかも全然取ってない様子。なんという寛大なレコード屋なんでしょう。

さて肝心のライブは最初のバンドを見逃しちゃったけど、イタリアのSang、スペインはマヨルカ島のTrance(ラモーンズをさらにモサくした感じのオールドスクールパンクでGoodでした)などの後、楽しみにしていたLove Triangle。さすがかっこよかった。ベンが近くにいた人の会話を盗み聞きしたところ、ベーシストが急に出演できなくなったそうで代理の人だったらしく、しかもこの日の朝に初めて合わせたんだとか笑。それにしてはすごいバッチシで、全然そんなこと感じさせなかった。

しかしこのギターリストで元Shitty Limitsの彼、Good ThrobやPersonnel、Noなどいろんなカッコいいバンドでやってますが、この後しばらくしてスペインに引っ越しちゃったそうで、とりあえず彼が関わっているほとんどのバンドが休止または解散になってしまうらしいという話。個人的に全部好きなバンドなのでかなり残念ですが……。

さて、この日の最後はSauna Youthでした。ずいぶん前に見た時は違う編成だったけど、この日のセットでは女性ボーカルになっていて、Monotony(Sauna Youthが全く同じメンバーでやっている別のバンド)の曲もやったりしていた。いいセットだったけど、正直なところSauna Youthはいま一つビビビとこないんですよね私……なぜだろう、ちょっと私にはアート寄りすぎな感じがするのかもしれません。

ウィークエンダー2日目となる翌金曜は、やや広めのヴェニュー、Tufnell ParkのDomeにて。この日はハードコアがメインのラインナップ。私はGood Throbが目当てだったけど、Perspex Fleshや、前日に出たTranceのメンバーがやっているOrden Mundial、トリを務めたLAのBlazing Eyeもよかった。
Perspex Flesh
Orden Mundial
Good Throbは相変わらずカッコよかった。特にこの日は音がよかったような。
こちらはトリのBlazing Eye。

どのバンドも曲が短めなので、この日は予定より早く22時半すぎぐらいに終わっちゃいました笑。まあ、この後「深夜の部」が別のヴェニューであったんだけど、これには行きませんでした。なので今年の私のStatic Shock Weekendはこの2日間で終わり。実は翌日土曜に見たいバンドが多数出演していて行きたかったんだけど、友達のナッチョが同じ日に、地元スペインから来ていた彼の友人バンドのライブを主催していて、残念だけど両方に足は運べそうになかったので、Static Shock Weekendの方は諦めたのでした。

でもそのスペインから来ていたナッチョの友達バンドFuturo Terror、カッコよかったです。日本でも好きな人多いんじゃないかなあ。「XXXが好きな人には絶対おすすめ」って言いたいんだけど、今ちょっとその「XXX」がパッと思い浮かばなくて(でも絶対似てる感じのバンドがいくつかあるんだけど…だーーーごめんなさい、今ぱっと出てこない)、速くてストレートなパンクが好きな人ならまず間違いないはず(すいません大ざっぱで笑)。とりあえず以下を見ていただけるとおおよそわかるかと。
Futuro Terror
ドラマーがかなり速くていいドラミングをしていたんだけど、後で聞いたら彼は今回、代理だったそうで、いわく「正規のドラマーは自分よりさらに速い」んだそう。えー!どんだけ〜!(ってこれもう死語ですか?)

このFururo Terrorの音源のほか、スペインの最近のガレージパンクやポストパンク系などのいいバンドをリリースしているdiscos humeantesというレーベルが、実はこのたび終焉を迎えてしまうそうで(オーナーとしては、レーベルがだんだん大きくなってきて、なんとなく商業的になってきたのを嫌っているようで、このへんで閉めるか、という結論に至ったらしい。ある意味潔いですね…)それは残念なのですが、Bandcampに関連バンドのコンピレーションをアップしていて、ダウンロードも可能なので、興味のある方はぜひ。日本ではほとんど知られていないけど、絶対に好きな人いっぱいいそうな音源(しかもバラエティに富んでる)がたくさん見つかりますYo!

続いて翌週末、急遽決まったSheer Mag追加マチネ公演 in DSFLへ。数週間前のライブは売り切れ、Static Shock WeekendはFuturo Terrorとカブったため見逃していた私にはうれしい限り。しかしSheer Mag、何か最近意外なまでに人気でびっくり。7インチを聴いたところ、とにかくヴォーカルが素晴らしいけど、音はまあ、言ってみれば昔ながらのロックサウンド。ベンなんか「よくある70sロックの焼き直しじゃないか」と言って全然興味なし。でも私はどうしてもちょっと気になるというか、惹かれる部分があって、一度は見てみたいと思い、この機会に足を運んでみました。

で、実際ライブを見たら、期待どおり良かった。でも個人的な印象はやっぱり80%はヴォーカルの魅力という感じだったかなあ。もちろんバンドサウンドもとても良いのですが、しかし何より彼女の声がすごい。正直ヴォーカルが平凡だったら、ここまで引きつけられないような気がするんだよね。完全に余談ですが、ライブ前に物販の脇に座っていたヴォーカルの彼女の足をうっかり踏んでしまったので謝ったら、すごく可愛いというか優しい笑顔を返してくれて、いい人なのがすぐわかりました。



そしてこの日は、SSWで見逃したEfialtis、そしてこれが最後のライブとなるNoを目当てに、夜も再びDSFLへ赴きました。Efialtisはギリシャ出身の女子3ピースバンド(ドラムはGood ThrobやDregsなど複数のバンドをやっているブライオニー)で、1年ぐらい前、おそらく結成当時に一度だけ見て以来でしたが、なんというか、より一層味が出ていてよかったです。
Efialtis
そしてNoのライブを見るのは今回が最初で最後だったんだけど、Black Flagを彷彿させるものがありました。ビックリしたのは、このバンドでものすごいワイルドなベースを弾いていたベーシストが、PAMsも何度か一緒にライブをしたことがあるGloss Rejectionというバンドのギターリストの人だったということ。まあ全然違うタイプの音楽だということもあるけれど、見ていて全く気づかないほど全然違ったので新鮮な驚きでした。
この日はほかにSnobやArms Raceなども出演、なかなか見応えのあるパンク&ハードコア・ナイトでした。

続いて翌週月曜、Cafe OtoにNecksを見に行きました。Necksは、えーと、アヴァンギャルド・エクスペリメンタル・ジャズとでもいうのかな? 私はこの手の音楽は普段、受け身でしか聴いていないのですが、ベンは前にも彼らのライブを見たことがあり、寝る前とかに時々レコードをかけていていい感じだったので、私も一度ライブを見に行ってみることにしました。今回はロンドン・ジャズフェスティバルの一環で、Cafe Otoで3日間連続のレジデンシー・ショーが満員御礼。ライブ自体は即興のインストゥルメンタルで、効果音の連続のようでもあり、1曲が長いので、私にはちょっと「大人っぽすぎ」な感じだったけど、時々、一体この音はどこから出てきてるのかな?という音が流れてきたり、楽器なのか工具なのか、はたまた大人のオモチャか何か!?(笑)と思うようなものを演奏に取り入れたりしていて(特にドラマーのノイズメーキングが面白かった)見ていて興味深かったです。私が普段、好んで聴いている音楽は、概して聴いていて自分を忘れるというか、どっかに連れていかれる感じのものが多いけど、今回はどちらかというと、聴いていて自分の内面にどんどん入って行くような音楽でした。
Necks
2日後の水曜は、Beat Happning、 KレコーズでおなじみのCalvin Johnsonのソロアクトを見にロンドン北西部のキルバーンへ。かつて北ロンドンに住んでいた頃、今はなきLuminaireというヴェニューにライブを見に行くために当時は時々キルバーンに足を運んでいたけれど、この数年はまったくのご無沙汰でした。今回はThe Tin Tabernacleという聞いたこともないヴェニューで、しかも開始時間が早く、前座も1つだけ。で、ヴェニューはその名のとおり、トタンで覆われた古いチャペル。1863年に建てられたそうで、英国の重要建造物リストのグレードⅡに登録されているという代物。北ロンドンのSea Cadets(海洋少年団)の本拠地でもあるらしく、建物内には関連品があちこちに置かれている。「子どもの頃に通った場所を思い出すような……建物の中の匂いも懐かしい感じ」とベン。日本でいうと、かつて別の用途で使われていた建物を公民館とか児童館として利用しているような感じの場所かと。バーはないので、代わりに主催のUpset the Rhythmの人たちが、瓶ビールとワインを用意しておいてくれてたのも、雰囲気に合っていてよかったです。
みんな早くから来て席を確保
建物内を眺めてるだけでも面白い
肝心のCalvin Johnsonはサイコーでした。私は初めてこの彼のソロアクトを見たんだけど、とにかく独特のちょっと芝居がかったパフォーマンスから目が離せず、思わずニンマリしっぱなし。しかもなんかこう、一曲一曲が愛に溢れてるんだよね!! コミカルともいえるパフォーマンスとともに、真っ直ぐ目を見て「アイラブユー、アイニージュー」と安っぽくなることなく歌えるのは彼しかいない!と思う半面、あの堂々とした雰囲気の中に時々ちらっと覗くシャイな眼差しがカワユイ笑。つまりは、ものすごくチャーミングなお人柄が滲み出てるんですなー。見終わってとてもハッピーな気分になったライブでした。
Every woman is beautiful♫っていう曲がじーんと染みました
さて週末はまた DSFLへ。Gloss Rejectionがこの日で解散だったのですが、今まで見た中で一番いいライブだったなあ。以前はそこまでピンときてなかったんだけど、今回のライブを見て音源を家で聴いたら何かすごくしっくりきて、これで終わってしまったのがとても残念でした。

そうこうしているうちにあっという間に12月……あれやこれやとほんとに多忙でした。で、見に行ったのは、The Nation of UlyssesやChain and The Gangで知られるIan Svenoniusのソロアクト。チケットがすぐ売り切れになって、もう1日追加されるほどの人気ぶりだったのも驚きでしたが、ベンが大ファンなのでチケットをソッコー取っており、1日目に見に行きました。いやーしかしこれ楽しかったわ。前座のOlivia Newtron-john のインパクトもすごかったけど(あのダンスは本当に必要なのか疑問だがw)Ianのオーディエンスを巻き込む濃ゆいソロがたまらずよかった。ベンは、ライブが始まる前に物販テーブルに彼の著書があるのを見つけてすぐに購入。ちょうどサウンドチェックを終えた彼がバーエリアをうろうろしていて、とてもフレンドリーな雰囲気でニコニコしていたので(彼の形相からするとニコニコというよりニタニタという感じだけどw)せっかくだから話しかけてサインしてもらえば!? と言ったんだけど「尊敬している人に話しかけるのは苦手だからいい」と言って、最後まで結局話しかけず……w 
私に言わせれば彼はDIYパンク・バージョンのプリンス笑


そして今年最後のロンドンでのライブ鑑賞は12月19日(土)、イーストロンドンのハックニーにあるヴェニュー、Osloに見に行ったJeffrey Lewis&Los Bolts。Jeffrey Lewisを見るのはそれこそ2013年にブライトンで見た&Peter Stampfelの素晴らしかったショー以来。いつもアイデア満載で毎回異なるセットを披露することで有名なJeff Lewis、今回はまた別名儀でどんなショーになるのかと楽しみにしてました。しかしこのOsloっていうヴェニューが全然好きじゃなかったのに加え、前座バンドもイマイチ、その上この日はこの後、クラブナイトが予定されていたようで、なんと21時半までには撤収しなくてはならないという状況で、なにかJeff本人もオーディエンスの私たちもいまひとつ乗り切れない部分があったような。ライブ自体は全然非の打ち所なしだったんだけど。 ジェフが自身のコミックスをスクリーンに映し出して披露するお馴染みのマンガ・タイムは相変わらず楽しかったし、ベーシストの女の子もすごくよかったし。やっぱ場の雰囲気かなあ。次回をまた楽しみにしたいと思います。

そして実は、今まで何度もいいライブを見に行き、PAMsも何度かライブしたりしてお世話になったイーストロンドンはDalstonのヴェニュー、Power Lunchesがこの12月で閉店してしまうことになり、この日にファイナル・パーティーが開催されていたので、この後そのままその足でPower Lunchesに向かいました。収容人数100人のところに、フェイスブックのイベントページでは800人が「参加する」と言っていたとのことで、一体どうなるのやら!? と思ってたけど、どうにか収まってました笑。おなじみの顔ぶれがみんな集まっていて、ライブあり、DJありで、この4年間、ロンドンのDIYシーンを支えてきた貴重なヴェニューの最期を惜しみました。

思えば私の初Power Lunches体験は、2011年、おそらくオープンして間もない頃に、ベンと一緒に見に行ったアメリカのReal Numbersのライブでした。Hipshakesのほか、HipshakesとBlack Time、City Yelpsのメンバーがやっていた(たぶん)1回限りのスピンオフ的なバンドCrawling Ageと、私はイマイチ覚えてなかったんだけど(たぶん見逃したのかな)当時まだ無名だった(笑)Sauna Youthが一緒にやっていた。すごくいいライブで楽しかったのを覚えています。あれからはや4年……うーん。今ロンドンではこのぐらいのキャパの、無名のDIYバンドでも気軽にライブができるようなヴェニューがほとんどなくなってきていて、淋しいのはもちろんのこと、私たちにとっては危機的状況です。そのうえ最近、身近の好きだったバンドが立て続けに解散したり、活動的なミュージシャンがロンドンを離れたりしていて、来年は一体どうなっちゃうんだろうか!? と思わずにはいられないのでした。
お世話になったPower Lunchesの悪名高きトイレ
■today's disc: Motorhead / Motorhead
レミーさんの訃報に接し、今日は一日モーターヘッドを聴いています。合掌。

2015年12月24日木曜日

メリクリ!

昨日からクリスマス休暇でウェールズに帰省中です。というわけで、取り急ぎ……
メリークリスマス!


Wishing you all happy holidays! 

2015年12月7日月曜日

イベントの秋・前半

この2ヵ月に足を運んだイベントやライブなどのまとめ前半です。

まずは日本から帰ってきた翌日に行ったのが、イースト・ロンドンはHackneyOval SpaceであったESGのライブ。もともと今年の春に予定されていて、チケットも取ってあったんだけど、メンバーのご家族に不幸があったらしく、延期になっていたのでした。サポートは、最近ニューアルバムを出してアメリカでも長期間ツアーしてきたロンドンのShoppingと、グラスゴーのGolden Teacher。特にGolden Teacherは今回初めて見たんだけど、すごいカッコいいレイヴ・バンドで、思わずバッグを放り出して踊りまくらずにはいられませんでしたよね笑(その代わりライブ後にバッグのヒモが取れた)。その雰囲気をちこっとだけお裾分け。

トリのESGも初めて見ましたが、すごくよかった。素朴でミニマリスティックでローファイなんだけどグルーヴ感があって踊れて、しかもあったかい雰囲気。ナイス!
      
翌週は、おなじみ近所のVinyl DeptfordDog Chocolateがライブをするというので覗きに行ったほか、ずっと見たかったけど今までチャンスに恵まれなかったThe Black Tambourinesがこれまた近所のNew Cross Innでライブということで、繰り出しました。正直なぜ彼らが、New Cross Innでのランダムなラインナップのライブに出てるのかナゾでしたが、ライブは期待通りすごくカッコよかったので満足でした。ギターの一人がアメリカに行っているとかで、今回はヘルプさんだったようなのですが、実はBlack Tambourines、次の週にPeach Kelli Popのサポートもしていて、その時にはレギュラーメンバーでやってたんだけど、正直私はこのヘルプのギターで見たセットの方が好みでした。

続いてイースト・ロンドンはHackney Wickのしんとした住宅街を越えたところにポツンとあるヴェニュー、Old Bathsに見に行ったのがThe Space Lady。彼女については時々名前を見かけていただけであまりよく知らなかったのですが、ベンがファンで、前回のライブを見逃したので今回はぜひとのことだったので、レコードを聴かせてもらうと、すごくよかった。というわけで私も行くことにしました。

てっぺんの電球がピカピカ発光する、Dr.スランプ・アラレちゃんみたいな帽子を被り、カシオのキーボードとともに一人でステージに立つSpace Lady。カシオの電子音とやわらかい歌声のハーモニーが心地よく、ふわーっとどこかへ連れて行かれるような感じ。その純粋な雰囲気に、最初の2曲ぐらいでちょっとグッときて涙が出そうになったけど、でもだからといって夢見がち一辺倒ではなくて、光と影が同居したような印象もあるし、地に足のついた、どこかシャープな切れ味もあります。60年代や70年代の曲、ビートルズやデヴィッド・ボウイなど大物のカバー曲もたくさんやるんだけど、彼女がやると何かすごく説得力があるのだった。例えばそのへんの若いバンドがビートルズのカバーやったって、ふぅーんで終わっちゃうところだけど、あの時代を実際に生きて、あの曲が、辿ってきた人生に普通に刻まれている人がカバーすると、やっぱり何か訴えかけてくるものが大きいように思いました。

すっかりファンになってしまった私は、ライブ後にTシャツを購入(しかもベンともども手持ちのキャッシュがなかったので、このためだけに徒歩10分ぐらい先にあるATMまで走った、という)。本人のサインも入れてもらえるとのことだったので、お願いしました。自分の名前を言うと「まあ!すごい名前ね」と言ってくれて、ついでに「ラブ&ピース」とまで入れてくれた笑。私の名前は日本ではちょっと変わっているけど、欧州では禅の影響とかで、言葉として知っている人が意外に多い(ヒッピー系の人とかは特に)。その都度「いや、でも私の名前は、響きが一緒というだけで、意味は違うんです。というのも、日本人の名前は……」と長々説明するはめになり、いつもとてもメンドイのだが、今回ばかりはもう「ハイ、ありがとうございます」で済ませました笑。

さらにこの翌々日、 Peach kelli Pop(相変わらず可愛かった)を見に久しぶりにDalstonVictoriaに行ったら、内装や雰囲気がものすごいトレンディな感じになっていてビックリした。数年前までは地元のアフリカ系のおじさんたちがたむろして、野性味溢れる肉料理とかを食らってたりする、ちょっと柄の悪いオヤジパブだったのが、そんな雰囲気はもはや微塵もない。行くたびに徐々に若者向けになってるなあとは思ってたけど、ここまで変わっちゃうとは思わなかった。近所のShacklewell Armsもそうだけど、こうやって、かつてローカルの人たちの憩いの場だった場所に外からの資本が入ってきてどんどんトレンディ化していくのを見るのはなんだか複雑な気持ち。治安が良くなるのはいいけれど、それによってすべてが均一化していくのも否めず、街の面白さがどんどん減っていく感じがする。何よりも地元の人たちにとっては、かなりいい迷惑なんじゃないかなあ。
   
しかし翌週またそのDalstonへ、Cafe OtoにSun Ra Arkestraのマチネショーを見に行きました。週末にしばしば地下鉄が工事で止まるロンドンだっていうのに、交通情報をチェックせずに出かけてしまって、案の定すんなり行くことができずハラハラしたけど、どうにか間に合ってよかった。それにしても91歳のマーシャル・アレン氏をはじめ、みなさんの自由度の高さといったらもう他に類を見ず、しかしこれが絶妙に調和しちゃってるんだからすごいのでした。


ショーは途中休憩を挟んだ2部構成だったんだけど、何のアナウンスもなく1部を終了したので、これで帰っちゃった人もいたんじゃないかしら笑。最後はメンバーが会場のあちこちに散らばり、時にはマーチのような形態で(なんとなくサファリを行進するゾウを思い出した)、時には一人で、といった感じで思い思いに自分の楽器をかき鳴らし、会場がものすごい自由な空間になってました。最近のロンドンのDIYバンドの録音を一手に引き受けているイースト・ロンドンのスタジオSoundSaversのマークが、ちょうどこのショーのサウンドを担当していたんだけど、後で話を聞いたら「いやー彼ら本当にすごいけど、サウンドチェックは一切しないし、ちょっとアタマおかしいって笑! サウンド担当は1回のライブで懲りた笑」と言ってた。何はともあれ、見に行ってほんとよかった。夜は、1974年のSun Raの映画「Space is the Place」を家で堪能しました。

さて、10月最後の週末はハロウィーン・ウィークエンド。木曜の夜、近所に住むキャリース&ラスの家でほぼ毎年開催される「ハロウィーン・仮装したい人は仮装&ピザ食ってホラー映画鑑賞会」へ。こっちの人のハロウィーンの仮装の凝り方といったらそれはもうハンパなく、当日の電車の中なんかもう、ほんとゲテモノ集団だらけですごいことになってるんですが、私は仮装はキライじゃないけどそこまで時間もお金もかける気はない方で、ベンに至っては仮装への興味がほぼ0で、仮装パーティにも仮装せずに出かけるような人。というわけで、ベンはもちろん素のままで、私はとりあえず手持ちの簡単な仮装グッズを組み合わせてちょっとだけメイクアップして出かけました。

ところが彼らの仮装っぷりがスゴかった!特にラスのティーンウルフが絶品すぎて、もう写真撮りまくり笑!

 これ全部自分で作ったっていうんだからスゴイよw
 キャリースのハローキティも可愛かったw
 ジェスの恐竜コスチュームもナイス!
 カボチャのつもりが、体型からしてニンジンに見えるアンドリュー  
仮装パーティって、行く前は「まあこんなもんでいいか」と大して気合いも入らないんだけど、実際に行くとみんながすごいので「もうちょっと考えればよかったなあ」といつも思う。思うんだけど、やっぱり毎回なかなかここまではできないのであった。そうそう肝心のホラー映画は、ベン持参の最低映画 (or 最高のカルト映画)「トロル2 悪魔の森」を鑑賞。いやーおもろかったw B級映画好きの方はぜひ。
 ネコのキップも一緒に「トロル」鑑賞
さて、この週末はデンマークからまたMads&Louiseが帰ってきてうちに泊まり、翌金曜は、これまた近所のMontague ArmsにてCharla Fantasmaが出演するプレ・ハロウィーン・イベントへ。そして土曜は、ホワイトチャペルのUrban Barにて友達バンドThe Potentials主催のBuffy The Vampire Slayerテーマのハロウィーンライブ「Slayer Fest」にThe PotentialsYiiikes!Wolf GirlCharla FantasmaSnobとともにPAMsで出演。久しぶりのライブで20分のショートセットだったけど、とっても楽しかったです! The Potentialsがこの夜のまとめビデオを作ってくれました。


そして実はこの日、FlemmingsJezとその友達トムのこれまた毎年恒例のビッグ・バースデー・ハウスパーティがあったので、私たちは途中で抜けてこっちへ移動。そのまま深夜まで飲んだり踊ったりのハイパーなハロウィーン・ウィークエンドでした。
 お誕生日な人たち3
去年も思ったけど、後片付け大変だろうなあ……

こうして10月があっという間に過ぎ去っていきました。気づけばもう11月も終わっちゃって師走に突入してますが……そんなこんなで後半につづく。

■today's disc:Be Nice/On the Run 7"/The Gories
日本に帰った時見つけて買った一枚ですが、これ2014年のリリースなんだけど全然昔と変わってなくて安心というかほんとすごいかっこいいゴーリーズ!