まずは日本から帰ってきた翌日に行ったのが、イースト・ロンドンはHackneyのOval SpaceであったESGのライブ。もともと今年の春に予定されていて、チケットも取ってあったんだけど、メンバーのご家族に不幸があったらしく、延期になっていたのでした。サポートは、最近ニューアルバムを出してアメリカでも長期間ツアーしてきたロンドンのShoppingと、グラスゴーのGolden Teacher。特にGolden Teacherは今回初めて見たんだけど、すごいカッコいいレイヴ・バンドで、思わずバッグを放り出して踊りまくらずにはいられませんでしたよね笑(その代わりライブ後にバッグのヒモが取れた)。その雰囲気をちこっとだけお裾分け。
トリのESGも初めて見ましたが、すごくよかった。素朴でミニマリスティックでローファイなんだけどグルーヴ感があって踊れて、しかもあったかい雰囲気。ナイス!
翌週は、おなじみ近所のVinyl DeptfordでDog Chocolateがライブをするというので覗きに行ったほか、ずっと見たかったけど今までチャンスに恵まれなかったThe Black Tambourinesがこれまた近所のNew Cross Innでライブということで、繰り出しました。正直なぜ彼らが、New Cross Innでのランダムなラインナップのライブに出てるのかナゾでしたが、ライブは期待通りすごくカッコよかったので満足でした。ギターの一人がアメリカに行っているとかで、今回はヘルプさんだったようなのですが、実はBlack Tambourines、次の週にPeach Kelli Popのサポートもしていて、その時にはレギュラーメンバーでやってたんだけど、正直私はこのヘルプのギターで見たセットの方が好みでした。
続いてイースト・ロンドンはHackney Wickのしんとした住宅街を越えたところにポツンとあるヴェニュー、Old Bathsに見に行ったのがThe Space Lady。彼女については時々名前を見かけていただけであまりよく知らなかったのですが、ベンがファンで、前回のライブを見逃したので今回はぜひとのことだったので、レコードを聴かせてもらうと、すごくよかった。というわけで私も行くことにしました。
てっぺんの電球がピカピカ発光する、Dr.スランプ・アラレちゃんみたいな帽子を被り、カシオのキーボードとともに一人でステージに立つSpace Lady。カシオの電子音とやわらかい歌声のハーモニーが心地よく、ふわーっとどこかへ連れて行かれるような感じ。その純粋な雰囲気に、最初の2曲ぐらいでちょっとグッときて涙が出そうになったけど、でもだからといって夢見がち一辺倒ではなくて、光と影が同居したような印象もあるし、地に足のついた、どこかシャープな切れ味もあります。60年代や70年代の曲、ビートルズやデヴィッド・ボウイなど大物のカバー曲もたくさんやるんだけど、彼女がやると何かすごく説得力があるのだった。例えばそのへんの若いバンドがビートルズのカバーやったって、ふぅーんで終わっちゃうところだけど、あの時代を実際に生きて、あの曲が、辿ってきた人生に普通に刻まれている人がカバーすると、やっぱり何か訴えかけてくるものが大きいように思いました。
すっかりファンになってしまった私は、ライブ後にTシャツを購入(しかもベンともども手持ちのキャッシュがなかったので、このためだけに徒歩10分ぐらい先にあるATMまで走った、という)。本人のサインも入れてもらえるとのことだったので、お願いしました。自分の名前を言うと「まあ!すごい名前ね」と言ってくれて、ついでに「ラブ&ピース」とまで入れてくれた笑。私の名前は日本ではちょっと変わっているけど、欧州では禅の影響とかで、言葉として知っている人が意外に多い(ヒッピー系の人とかは特に)。その都度「いや、でも私の名前は、響きが一緒というだけで、意味は違うんです。というのも、日本人の名前は……」と長々説明するはめになり、いつもとてもメンドイのだが、今回ばかりはもう「ハイ、ありがとうございます」で済ませました笑。
さらにこの翌々日、 Peach kelli Pop(相変わらず可愛かった)を見に久しぶりにDalstonのVictoriaに行ったら、内装や雰囲気がものすごいトレンディな感じになっていてビックリした。数年前までは地元のアフリカ系のおじさんたちがたむろして、野性味溢れる肉料理とかを食らってたりする、ちょっと柄の悪いオヤジパブだったのが、そんな雰囲気はもはや微塵もない。行くたびに徐々に若者向けになってるなあとは思ってたけど、ここまで変わっちゃうとは思わなかった。近所のShacklewell Armsもそうだけど、こうやって、かつてローカルの人たちの憩いの場だった場所に外からの資本が入ってきてどんどんトレンディ化していくのを見るのはなんだか複雑な気持ち。治安が良くなるのはいいけれど、それによってすべてが均一化していくのも否めず、街の面白さがどんどん減っていく感じがする。何よりも地元の人たちにとっては、かなりいい迷惑なんじゃないかなあ。
しかし翌週またそのDalstonへ、Cafe
OtoにSun Ra Arkestraのマチネショーを見に行きました。週末にしばしば地下鉄が工事で止まるロンドンだっていうのに、交通情報をチェックせずに出かけてしまって、案の定すんなり行くことができずハラハラしたけど、どうにか間に合ってよかった。それにしても91歳のマーシャル・アレン氏をはじめ、みなさんの自由度の高さといったらもう他に類を見ず、しかしこれが絶妙に調和しちゃってるんだからすごいのでした。
ショーは途中休憩を挟んだ2部構成だったんだけど、何のアナウンスもなく1部を終了したので、これで帰っちゃった人もいたんじゃないかしら笑。最後はメンバーが会場のあちこちに散らばり、時にはマーチのような形態で(なんとなくサファリを行進するゾウを思い出した)、時には一人で、といった感じで思い思いに自分の楽器をかき鳴らし、会場がものすごい自由な空間になってました。最近のロンドンのDIYバンドの録音を一手に引き受けているイースト・ロンドンのスタジオSoundSaversのマークが、ちょうどこのショーのサウンドを担当していたんだけど、後で話を聞いたら「いやー彼ら本当にすごいけど、サウンドチェックは一切しないし、ちょっとアタマおかしいって笑!
サウンド担当は1回のライブで懲りた笑」と言ってた。何はともあれ、見に行ってほんとよかった。夜は、1974年のSun Raの映画「Space is the Place」を家で堪能しました。
さて、10月最後の週末はハロウィーン・ウィークエンド。木曜の夜、近所に住むキャリース&ラスの家でほぼ毎年開催される「ハロウィーン・仮装したい人は仮装&ピザ食ってホラー映画鑑賞会」へ。こっちの人のハロウィーンの仮装の凝り方といったらそれはもうハンパなく、当日の電車の中なんかもう、ほんとゲテモノ集団だらけですごいことになってるんですが、私は仮装はキライじゃないけどそこまで時間もお金もかける気はない方で、ベンに至っては仮装への興味がほぼ0で、仮装パーティにも仮装せずに出かけるような人。というわけで、ベンはもちろん素のままで、私はとりあえず手持ちの簡単な仮装グッズを組み合わせてちょっとだけメイクアップして出かけました。
ところが彼らの仮装っぷりがスゴかった!特にラスのティーンウルフが絶品すぎて、もう写真撮りまくり笑!
これ全部自分で作ったっていうんだからスゴイよw |
キャリースのハローキティも可愛かったw |
ジェスの恐竜コスチュームもナイス! |
カボチャのつもりが、体型からしてニンジンに見えるアンドリュー |
仮装パーティって、行く前は「まあこんなもんでいいか」と大して気合いも入らないんだけど、実際に行くとみんながすごいので「もうちょっと考えればよかったなあ」といつも思う。思うんだけど、やっぱり毎回なかなかここまではできないのであった。そうそう肝心のホラー映画は、ベン持参の最低映画
(or 最高のカルト映画)「トロル2 悪魔の森」を鑑賞。いやーおもろかったw B級映画好きの方はぜひ。
ネコのキップも一緒に「トロル」鑑賞 |
さて、この週末はデンマークからまたMads&Louiseが帰ってきてうちに泊まり、翌金曜は、これまた近所のMontague ArmsにてCharla Fantasmaが出演するプレ・ハロウィーン・イベントへ。そして土曜は、ホワイトチャペルのUrban Barにて友達バンドThe Potentials主催のBuffy The Vampire Slayerテーマのハロウィーンライブ「Slayer
Fest」にThe Potentials、Yiiikes!、Wolf Girl、Charla Fantasma、SnobとともにPAMsで出演。久しぶりのライブで20分のショートセットだったけど、とっても楽しかったです! The Potentialsがこの夜のまとめビデオを作ってくれました。
そして実はこの日、FlemmingsのJezとその友達トムのこれまた毎年恒例のビッグ・バースデー・ハウスパーティがあったので、私たちは途中で抜けてこっちへ移動。そのまま深夜まで飲んだり踊ったりのハイパーなハロウィーン・ウィークエンドでした。
お誕生日な人たち3名 |
去年も思ったけど、後片付け大変だろうなあ……
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こうして10月があっという間に過ぎ去っていきました。気づけばもう11月も終わっちゃって師走に突入してますが……そんなこんなで後半につづく。
■today's
disc:Be Nice/On the Run 7"/The Gories
日本に帰った時見つけて買った一枚ですが、これ2014年のリリースなんだけど全然昔と変わってなくて安心というかほんとすごいかっこいいゴーリーズ!
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