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2015年1月3日土曜日

トマシーナ三つの生命 

そんなこんなで昼過ぎまでグースカ寝ていた2015年元旦は、例年のごとくのんびりダラダラ過ごしました。こっちでは年越しは大騒ぎだけど、明けてしまえばどうってことない、2日から通常営業って感じですが、今年は3日・4日が週末にかかっているので、5日から仕事初めというところも多いようで、日本とそんなに変わらないみたいですね。

夜、ベンがクリスマスにくれたDVD「Three Lives of Thomasina」(1963)を鑑賞。これがもーーーツボにハマりまくり、個人的にもはや今年(って明けたばかりですけど)のベストムービーに選出!でございます。


予告編だけだと猫が主役の動物映画かと思っちゃうんですが、違うのだ! 猫は語り部のような役割(しかも声がしっとりとした大人の女の声でなんかアレッ!? って感じです笑)になっていて、主役はむしろ人間。しかも出てくるキャラがみんなとても素朴でよい。舞台はスコットランドなので、スコティッシュ訛りもいい味を添えてます。

ストーリーを簡単に説明すると……幼くして母親を亡くした少女メリーは、飼い猫のトマシーナをとても可愛がっている。お父さんのアンドリューは優れた獣医師ではあるが実質主義の人で、患者の心情に寄り添って治癒の見込みのないペットを根気よく診るということはせず、安楽死を選択したりするため、次第に患者が減ってゆく。

そんな中、トマシーナが大怪我を負ってしまい、メリーは急いでお父さんの病院にトマシーナを連れて行くが、もはや手遅れの状態だった。そのうえ、同じ頃ちょうど事故に遭った知り合いの犬の手術をしていたこともあって、お父さんはメリーに必ず治すと口約束しておきながら、結局は安楽死させるという道を選択する。それを知ったメリーはその後、完全に心を閉ざしてしまい「お父さんはもう死んだの」とまで言うようになってしまう。

メリーは友だちとトマシーナの葬式を盛大に挙げるが、式の途中で町の人々が「魔女」と呼んで敬遠している森に住むロリという女性が現れ、驚いたみんなは式を放り出して逃げてしまう。ロリは実のところ、傷ついた森の動物たちの世話をしている優しい女性で、置き去りにされたカゴの中のトマシーナがまだ息をしているのに気づき、自宅に連れて行く。トマシーナはなんと、黄泉の国をさまよった揚げ句、この世に帰ってきたのだった。こうしてトマシーナはロリのもとで、昔の記憶がおぼろげなまま「二つ目の生命」を生きることになるのだが……。

小さな町のコミュニティ、ローカル色、民俗的風習、トラウマ体験からの再生、親子愛、動物愛護、ロマンス、ファンタジー、冒険、童話的世界などなど、わかりやすくシンプルな映画のようでいて、いろんな要素が詰まってます。個人的には単純に子どもの可愛さにかなりヤラれました(特にジョーディ役のMatthew Garberの可愛さに震えた)。もー泣いちゃいますよほんと。日本ではどうやらVHS化もDVD化もされていないようで残念(ずいぶん昔に「トマシーナ三つの生命」というタイトルで上映はされているようなので、テレ東あたりで夜中とかに放送されることはあるかも? )。

原作はアメリカ人作家ポール・ギャリコの児童小説。私はこの原作を読んでいないのですが、そのうち手に入れて読みたいと思います。他にも「ジェニイ」という猫になった男の子の話とか、「ポセイドン・アドベンチャー」などを書いている人です。

年越しイベントではこのオリジナルのほかにSoft Cellバージョンもかかってたので、今も延々脳内再生中。

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